愛犬とのお散歩や運動は飼い主さんにとってもストレス発散になる大切な時間ですよね。動くことが大好きなワンちゃん達はきっと大喜び♪
でも、アクティブな子ほど注意したいケガや事故。特に骨折は治療にも時間がかかる上、金銭的負担も大きくなってしまう怪我の一つです。骨折なのか捻挫なのか見分ける事も難しく、普段の何気ない動作で骨折してしまう事も珍しくありません。
そこで今回はワンちゃん達の骨折について、見分け方や治療方法などをご紹介していきます。
ワンちゃんの骨折
骨折と聞くとその名の通りバキッと骨が折れている状態をイメージする方が多いかもしれませんね。もちろんそれも骨折で間違いないのですが正確には骨にヒビが入っている、欠けてしまっている、という場合も骨折と呼ばれます。
骨折にはいくつかの種類があり、折れた骨が皮膚を突き破って出てしまう【開放骨折】、皮膚の下で骨折部分が炎症を起こす【閉鎖骨折】、同じく皮膚の下で骨が粉々になってしまう【粉砕骨折】などがあります。
交通事故や転倒で激しいダメージを受けたときは、開放骨折してしまうこともあります。
ただ近年のワンちゃん達の骨折は、ソファや階段からジャンプした時や飼い主さんが誤ってワンちゃんを踏んでしまった、またドアに挟んでしまった時などに見られるケースが多く、室内でこそ骨折への警戒が必要と言えます。
犬の骨折の症状は?
開放骨折以外ですとワンちゃんの骨折を見た目だけで見抜くのはとても難しいかと思います。骨折の様に見えても脱臼や捻挫、靭帯や神経の損傷だったという事もあるためです。
ただ以下のような症状が見られたときは骨折の疑いがあると判断し、速やかに動物病院を受診しましょう。
●脚を引きずって歩く
●足を完全にあげて地面につけない
●触ると痛がる、怒る
●食欲や元気がない
●腫れている
個人的には足を完全にあげていて触られることを嫌がる時は、骨にトラブルが起きている可能性が高いように感じています。
骨折に限らずワンちゃんが強い痛みを感じている時は、食欲や元気もなくなり、痛い場所を無理に触ろうとすれば咬まれてしまうことも。
まずは病院を受診し骨折の有無を確認、更に痛みを取る治療を開始してあげましょう。
骨折の好発犬種
ワンちゃんの骨折はどのような犬種でも起こりますが、特に筋肉が少なく足が細い犬種は骨折しやすい傾向にあります。プードルやポメラニアン、ミニチュアピンシャー、イタリアングレーハウンドなどは特に報告が多い犬種です。
その中でもイタリアングレーハウンドの骨折は目にする機会が非常に多く、生活環境から日常生活の何気ない動作まで目を配ってあげる必要があります。
また骨の発育が未熟な子犬期は、大きな衝撃でなくても骨がダメージを受けやすいため全犬種で注意が必要です。
治療の方法や予後
骨折の治療方法は骨折の状態に合わせ、選択されます。
人間と同様にギブスで固定して骨の回復を待つ方法と、手術で外科的に折れた部分を整復する方法とがあります。どちらも治癒するまで数か月の時間がかかり、その間ギブス交換やレントゲン撮影をするための定期的な通院が必須です。
手術で整復を行った場合は、骨が回復したタイミングでもう一度麻酔をかけ、整復のために挿入していたプレートやピンを除去する手術が必要になることもあります。
骨折整復の手術は平均20万円前後、定期的な通院、ギブス交換、レントゲン撮影、プレート除去手術、となると金銭的負担はかなり大きくなってしまいます。まずは治療方針が固まった段階で、総額の見積もりを出してもらうとプランが立てやすいかもしれませんね。
骨折を整復した箇所は再骨折しやすく、気温や気圧で痛みを感じる事もあるようです。また少し曲がってしまったり、可動域が狭くなってしまったりする事も珍しくありません。
骨折しないために
ワンちゃんの骨折は本当に何気ない動作で起こり得ます。
抱っこから普通に降ろしたつもりが、着地がうまくできず折れてしまった、フローリングの上を勢いよく走っていて滑って転んだ衝撃で折れた!など普段の生活の中に骨折の危険は常に潜んでいます。まずは生活環境を見直しましょう。
ソファや階段、フローリング、高さがある場所や滑りやすい場所にはしっかり対策を行います。また抱っこから降ろす時は飼い主さんもしゃがむ、または座った状態で降ろしてあげること。愛犬が興奮している時は飛び降りてしまう事もあるので、むやみに抱き上げないようにしてくださいね。
好奇心旺盛な子犬期はもちろんですが、元気いっぱいでアクティブな成犬期、骨がもろくなってくるシニア期、全期間を通して骨折してしまわないよう注意してあげることがポイントです。
もし骨を痛めてしまったかも?と感じたときは慌てずに動物病院を受診し、骨の状態を確認してもらってくださいね。
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