梅雨を飛ばして突然の猛暑に襲われた日本列島。うだるような暑さに体調を壊された方も多かったかもしれませんね。スタートダッシュがあまりに早かったせいか、今年は6月中から続々と熱中症症状が見られるワンちゃんにご来院いただきました。
自宅でできる熱中症対策
ワンちゃんが熱中症をおこしやすい場所をご存知でしょうか?発症の約半数は炎天下の屋外ですが、もう半数はなんと【自宅内】なんです。
特に注意したいのがお留守番の間。お仕事をされている飼い主さんも多いですから、ワンちゃんのお留守番時間が8時間以上という方もいらっしゃいますよね。そこでワンちゃんが熱中症を起こさないよう、自宅内の環境をしっかり整えておく必要があります。
■空調
夏時期のエアコンは必須です。室温は22~25度前後に調整してください。冷気は下に溜まっていきますので、お留守番は1階でしてもらうと安心ですね。冷えすぎてしまう可能性もありますのでブランケットなど愛犬が寒さを感じたときに移動できる場所を作ってあげるといいでしょう。
サーキュレーターで室内の空気を循環させておくとGOODです。
■日当たりチェック
出発時は陽が当たっていない部屋でも時間の経過と共に直射日光が差し込んでしまうことがあります。愛犬が長時間陽の光にさらされることがないよう、一日を通して陽の光がどう動いていくかお休みに日に確認してみてください。
もし陽が長時間差し込むようであれば、遮光カーテンや屋根付きのサークルで陰になる場所を作ってあげると安心して過ごすことができますよ!
■飲み水
水飲み場の数はワンフロアに2~3か所が理想的。通常の飲み水の他、新鮮で冷たいお水が出る自動給水機を置いてあげるとワンちゃんも喜んでくれるかも?
■電気を使用しないアイテムも
万が一の停電やエアコンの故障に備え、電気を使用しないクールアイテムを何点か部屋に設置しておくと安心です。クールマットなどホームセンターで販売されているものを活用すると便利です。
凍らせたペットボトルをボールに入れて置いておくと涼しいだけでなく除湿にもなり、溶けだした結露を舐めとる事もできるので万能です。
熱中症の症状とは?
熱中症の代表的な症状は息が荒くなる、ヨダレが止まらない、ぐったりする、頻回の嘔吐や下痢、重度の場合は舌や口の中が紫色になるチアノーゼが見られることも。
元々ワンちゃんの体温は人間より高めで38度台が平熱ですが、熱中症になると39~40度を超える発熱が見られ、触った感じも普段より熱く感じるようになります。
万が一の応急処置
もし自宅内や出先で熱中症を疑う症状が見られた時は、速やかに動物病院を受診してください。動物病院までの応急処置として重要なことは【体温を下げる事】です。
大きめのタオルを水で濡らし、絞らずそのまま愛犬の体を包み、そのままの状態で動物病院へ向かいます。受診前に電話を入れておくことも忘れずに。
連絡を受けた動物病院は体重や犬種に合わせ入院室や酸素室、冷水浴、血液検査、受け入れ後に必要な処置の準備を整えて迎え入れてくれます。重度の熱中症の場合、スピード勝負となりますので動物病院とうまく連携を取り、スムーズな治療を開始させることも回復のためには大切なポイントとなります。
様子見は絶対NG
温暖化により、年々暑さが増していく日本ではワンちゃんを飼う以上、熱中症や暑さ対策はどうしても避けては通れない問題です。近年ではワンちゃんの熱中症もポピュラーになり、対策されている方がほとんどですが、それでもいざ発症した時に半日程度様子を見てしまう方も少なくありません。
つらい現実ですが、熱中症で亡くなってしまうワンちゃんを過去に何頭も見たことがあります。暑さの対策をするだけでなく、発症した時の症状や対応に関しても今一度家族で確認し合っておくと、いざという時にパニックにならずに済みます。夜間でも診療を受けている近隣病院の番号を控えておくと安心です。
万全の準備をして元気に夏を乗り越えましょう!
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