今年5月、「自動車の中に取り残された場合、短時間であっても熱中症のリスク、命の脅かされるリスクが非常に高い」と、ペットの熱中症について初めて環境省から注意喚起がありました。
年々暑さも厳しくなり、毎年5月から8月にかけてペットの熱中症が急増しています。
今回は意外と知られていない「ペットの熱中症」について解説していきたいと思います。
熱中症にかかりやすいワンちゃん
ワンちゃんは、屋外で過ごすことが多く、散歩にも出かけるため、特に気を付けてあげたいところです。
ハァハァと息遣いが荒かったり、ヨダレを垂らす時は、まず熱中症を疑いましょう。初期症状であることが多いです。
重症化した場合の30%は死亡のリスクがあり、極めて危険です。特に心臓が悪い、循環器が弱い、または肥満気味の子も肺や呼吸機能が低下して重症化しやすくなりますので、初期症状の段階で気付いて対処してあげることが大切です。
熱中症を疑う時は
・常温の水を体にかける
・水で濡らしたタオルなどで包む
・風通しのよい場所に移動させて、うちわ等で風を送るなど
とにかく体温を下げてあげて下さい。
熱中症対策をしましょう
気温が上がりだしたら、ワンちゃんのお散歩は日差しが強い日中は避けて早朝か日没の時間を選びましょう。
また、ワンちゃんは地面との距離が近いので、人間よりも熱を感じてしまいます。お散歩の前に地面を触って熱さを確認して下さい。
1番問題視されているのが子供やペットの自動車内での放置です。
ワンちゃんは人間より体温が約2度高く、体温調整も苦手なため、たとえ15分ほどであっても車内の急激な温度上昇に体がついていかず、命を落とす危険性があります。
車でお出かけする時は、ワンちゃんの様子をよく観てあげながら、エアコンで温度調整をしっかりし、短時間であってもお留守番をさせないようにしましょう。
▲中に水を凍らせて遊ぶ、冷たくて気持ちがいい玩具「ソフトクリーム」
自宅のお部屋の場合は、通気性が良く、温度25度、湿度50%が推奨されています。ひんやり冷たい玩具など与えてあげるのも良いですよ♪
また、水分補給がいつでもできる環境を整えてあげてくださいね。
猫ちゃんの熱中症対策は
猫ちゃんは、ワンちゃんよりさらに自分で体温調節する事が苦手です。気温が低すぎるのも体調を崩す原因となりますので、室内の気温は27℃~28℃くらいを保てるように調整してあげましょう。
また、扇風機を使用する場合、直接風をあてるのではなく、室内の空気を循環させる事を意識してあげてください。
もし、お気に入りのスペースがあれば、そこが日陰になる様に工夫して、直接日が当たり気温が高くならないように気を付けましょう。
ブラッシングでアンダーコートを取り除いてあげると、熱がこもらず通気性も良くなるので、体温調整もしやすいですよ。
▲水分補給も大切なので数か所水飲み場を設けてくださいね。「自動給水器 Pawbo Spring」
特に気を付けてあげたい品種
ワンちゃんは、短頭種(パグ、フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリア、チワワ、シー・ズーなど)や、北欧犬種(シベリアン・ハスキーなど)、また毛が黒い子が熱中症にかかりやすいと言われています。
特に鼻が低い犬種(パグやブルドッグ)は気道が狭いために体温調整が難しいので気をつけてあげて下さいね。
猫ちゃんでは、短頭種(ペルシャ、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤン)や、長毛種の子の熱中症が多く、ウサギ、モルモット、ハリネズミなどの小動物も要注意です。
最後に
ペット達は、体調不良を自ら言葉で伝えることはできません。動物の強さは我慢強さと言われるように、見た目がいつも通りに見えても我慢している時があるようです。
私たち飼い主も、日常生活からペットをよく観察し、健康管理をすることにより、少しでも異変があればかかりつけの病院に相談しましょう。