猫の妊娠と出産!保護活動の一つ"TNR"を知っていますか?

猫の妊娠と出産

"猫ちゃんは繁殖力が強い"と耳にしたことはありませんか?環境省によれば、1匹のメス猫は1年後には20頭以上、2年後には80頭以上、そして3年後には2000頭以上に増えると試算されています。

そのため、野良猫ちゃんは増えやすく、室内飼育でも出産による多頭飼育崩壊が発生してしまうことも…そこで、今回は猫ちゃんの妊娠・出産、保護活動の一つ"TNR"や手術などについてお話しをします。

目次
◼️猫の繁殖ペースのはやさ
◼️猫にも高齢出産はある?<
◼️保護活動の一つ"TNR"
◼️去勢・避妊手術のメリットとデメリット
◼️猫にも未来を...


猫の繁殖ペースのはやさ

猫の繁殖スピード

一般的に猫の妊娠期間は約2ヶ月、1回の出産で約4〜8匹の子猫を産むと言われ、さらにその生まれた子猫は生後6ヶ月前後には子供を産めるまでに成長をします。

1年間で2〜4回出産するため、繁殖のサイクルが非常に速いことが特徴です。また、交尾した刺激で排卵が起こる“交尾排卵"で、ほぼ100%の確率で妊娠をします。2頭の違うオス猫の子供を同時に妊娠することも!


猫にも高齢出産はある?

猫の高齢出産

個体差はありますが、一般的に12歳まで妊娠し、出産することが可能です。

猫の12歳はヒトに換算すると約64歳。体力が少なく、母体への負担が大きくなります。そのため、生まれてくる子猫が未熟児であったり、障害を持って生まれたり、最悪の場合は死産に至る可能性も高まります。高齢出産によるリスクはヒトと同様にあるのです。


保護活動の一つ"TNR"

TNR活動とは 野良猫

TNRとはTrap・ Neuter・ Returnの頭文字をとった言葉で、保護活動の一つを指します。この活動では、野良猫を捕獲して避妊・去勢手術を行い、その後元の場所に戻すことで、繁殖を抑えることが目的です。手術を受けた猫にはV字のカットが耳に施され、この桜の花びらのようなカットのあることから"さくらねこ"と呼びます。

カットは手術中に全身麻酔が効いている時に行われるため、痛みや負担が少なく、首輪のように外れる心配もありません。最近ではテレビコマーシャルや駅のポスターなどでも紹介され、少しずつ認知が広がってきています。

野良猫 過酷な環境

室内飼いの猫の平均寿命は14歳を超えていますが、一方で野良猫の平均寿命は3〜5歳程度。多くの野良猫たちは、乳仔期(生後2ヵ月)までに命を失ってしまうことが一般的です。

野生での生活は厳しいため、夏の暑さや冬の寒さ、雨風を凌ぐ場所を見つけるのに苦労し、栄養不足やカラスなどの外敵も彼らの生存を脅かします。全ての野良猫に適切な手術が施されれば、彼らの数は減少し、殺処分から守ることにもつながります。

TNRはお外で暮らす猫たちの望まない繁殖を防ぎ、彼らに一生の幸せを与えるための大切な活動なのです。


去勢・避妊手術のメリットとデメリット

猫の去勢 メリット デメリット

去勢・避妊手術のメリットとして、マーキング行動を抑える、発情中のストレスの軽減、感染症や病気の予防、望まない繁殖の防止などが挙げられます。一方、手術には全身麻酔のリスクがあり、また手術後は太りやすくなるというデメリットも…。肥満は尿石症や糖尿病の危険性を増加させることもあるため、注意が必要です。さらに、手術を受けることで将来的に繁殖はできなくなります。

手術費用は10,000〜30,000円程度で、地域によっては去勢・避妊手術に対して助成金が出る所もあります。ただし、助成条件や申請方法は地域によって異なるため、事前に確認をしてみてくださいね。


猫にも未来を...

保護猫を飼育 さくら耳

今回は猫の妊娠・出産を中心にTNRや去勢・避妊手術についてお話ししました。ただし、去勢・避妊手術を受けさせることは必須ではありません。

猫の生活環境や飼い主さんの考え方もそれぞれ異なるかと思います。こうしたメリット・デメリットをよく考慮し、手術を受けるかどうかの判断を慎重に行いましょう。野良猫たちの望まない繁殖や、飼い主のいない猫がこれ以上増えないよう願っています。


 

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