古来より最良のパートナーとして、人びとの暮らしに寄り添ってきたワンちゃん。その起源は古く、縄文時代にはすでに人に飼育されていた形跡があるといわれています。当たり前にそばにいた存在だからこそ、“イヌ”という言葉の語源すらたどることが難しいのだそうです。
現代では、長い歴史を経て大きさも見た目も実にさまざまなワンちゃんがいて、世界中で愛されています。そこで今回は、意外と知らない人気犬種の語源をご紹介していきたいと思います!
柴犬の”柴”って?
実は、日本犬保存会によって定められた日本にルーツのある”日本犬”は、全部で6種類しか存在していません。「秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・四国犬(旧土佐犬)・北海道犬」がそれに当たります。
地名にちなんだ犬種の名前ばかりなのですが、柴犬だけ他の日本犬とはニュアンスが異なりますよね。では、柴犬の”シバ”とは一体どういう意味を持つのでしょうか?
「柴」とは山野に生える背の低い雑草のことを指していて、かつては「小さい」という意味も含んでいました。中型犬や大型犬ばかりの日本犬の中で、柴犬は唯一小型犬に分類される犬種です。小さい犬だから”柴”犬、というわけなのですね。
また、雑草(柴)の下をくぐり抜けて果敢に狩りをするから、毛色が枯れた柴にそっくりだからといった説もあります。愛らしい見た目と裏腹に、武士の気質がある”Shiba inu“は、ヨーロッパなどの海外でも熱狂的な人気のあるワンちゃんなのですよ。
知れば知るほど愛らしい”パグ”
鼻ぺちゃで、ちょっとポケッとした顔立ちがかわいらしいパグは、中国やオランダの皇室で愛でられていた高貴な犬種です。名前の由来については、顔が拳のように見えるため「拳」を意味する「パグナス」というラテン語から派生したという説と、「いびきをかいて寝る王様=覇歌(パー・クー)」という中国語から来ているという説があります。
どちらもいかにもパグらしい語源で、なんとも微笑ましいですよね。パグの額に深く刻まれているシワが「皇」という字に見えることから、中国ではパグを「皇の印」とも呼ぶそうですよ。
華やかな見た目が魅力の”パピヨン”
フランス原産のパピヨンは、フサフサとした大きな耳が華やかで美しい犬種で、マリーアントワネットから寵愛を受けていたことでも知られています。「パピヨン」はフランス語で「蝶」という意味を持ち、まさに蝶のような耳の形から名付けられました。
立ち耳の子は「パピヨン(蝶)」、たれ耳の子は「ファレン(蛾)」と呼ばれて区別されています。蛾と聞くと日本人としては少しぎょっとしてしまいますが、美しい色の個体を指すそうで現地では悪い意味を持つわけではないそうですよ。
名は体を表す”チワワ”
これほどまでにしっくりくる名前はないと感じる”チワワ”ですが、意外なことにその語源はルーツであるメキシコのチワワ州から来ています。チワワの先祖は、メキシコの先住民が飼育していた「テチチ」というワンちゃんだそうで、こちらも非常にかわいらしい名前ですよね。
チワワは純血種の中でもっとも小さいとされる犬種であり、「世界最小の犬」では、体長部門・体高部門ともにギネスに登録されています。
「チワワ」という、いかにも小さくてファンシーな名前の響きが、その魅力を一層惹き立てているとのかもしれませんね♪
語源を知ればますます愛しい!
当たり前のように根付き、普段は意識することもない名前の由来ですが、知れば知るほど奥深く、いっそうその犬種が愛おしくなってしまうのではないでしょうか。
皆さんも、ぜひこの機会におうちの子の語源を調べてみてくださいね。
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