先日、オーエフティースタッフの1人が、愛犬とのお別れを経験しました。
普段は明るく元気いっぱいの同僚が、がっくり気を落としている姿を見て、少しでも気持ちを共鳴し、また同じ経験をされている飼い主さんの気持ちがほんの少しでも落ち着けたらと思い、こちらのブログを書かせて頂きました。
ペットとの新しい出会いがある反面、悲しい別れを受け止めなければならない現実もまたあります。
最愛のペットとの別れは突然色々な形でやって来ます。彼らとの思い出、残された生活空間は一層悲しみを深くし、自責の念にとらわれ、ただただ涙が溢れ、何も手に付かないそんな時間が過ぎて行きます。
どれだけ彼らによって自分が支えられていたのかを改めてひしひしと感じることもあるでしょう。
この様な感情の動きはペットロスと呼ばれ、時にペットロス症候群の始まりでもあるのです。
ペットロスとペットロス症候群
ペットロスとはペットを失った飼い主さん自身の悲しみ、喪失感、怒り、または罪悪感を持つといった感情です。
ペットと一緒に暮らしていた方ならば誰にでも起こる可能性があるため、自分はおかしいのかな…など心配はしないで下さい。
しかし、時に大きな喪失感が精神的・身体的な症状が強く出てしまい、治療を必要とするペットロス症候群になってしまうこともあるため、注意もまた必要です。
ペットロス症候群の症状とは
ペットロス症候群の症状は様々で、頭痛、腹痛、肩こり、便秘、下痢、不眠、食欲不振、過食など身体の症状だけでなく、
• 悲しみから立ち直れず突然涙が溢れてしまう。
• 仕事や趣味に対して意欲や関心がうすれ、やる気がなくなってしまう。
• ペットがいなくなってしまったのは自分のせいだと罪悪感に押しつぶされてしまう。
といった精神的な症状もあるのです。
無理やり感情を抑えこむ行為は逆効果になってしまうため、感情のままに目いっぱい悲しみ、思いきり泣いて下さい。
しかし、このような状態が続くようでしたら、一度専門医に相談してみましょう。個々の疾患から症候群と自覚する事は難しく、精神面の変化から総合的に診断されるからです。
ペットロスとの付き合い方
無理に明るく振舞ったり乗り越えようとしたりせず、まずは別れを前向きに受け入れていけることが大切です。
ペットとの思い出を何かしらの形で残すことは、一見思いが断ち切れずペットロスが長引いてしまいそうですが、気持ちの整理がつきやすくなる場合があります。
使っていた道具などはすぐに処分せず、手元に残していても問題はありません。ペットの似顔絵やそっくりなぬいぐるみなど、楽しかった思い出を忘れないよう形として残しておくのも1つです。
また、しっかりと別れと向き合えるようペット葬にてお別れをする方も増えています。人間と同じように葬儀をすることにより様々な思い出を振り返りながら、気持ちを整理することができるのです。
それでも辛くなってしまう場合はSNSなどで同じ境遇の方と交流し、今の心境を話してみてはいかがでしょう。
同じ体験をした方と話すことで抱えていたものが軽くなるかもしれません。また、お別れしたペットを取り上げた書籍も随分と支えになりますのでお勧めします。
新しい犬・猫を迎え入れて良いのか
「この悲しみや辛さはもう体験したくない。」「ペットはもう飼えない」と思う方もいれば、「またペットと共に生きる楽しさを感じたい。」「困っているペットを救いたい」と考える方もいるでしょう。
二匹目をお迎えするということに正解・不正解はありません。
先代のペットへの罪悪感から二匹目が飼えない方もいますし、先代同様たっぷりの愛情で新たな子を迎え暮らしていく方もいます。
数年たって、心境や環境の変化から新しい子を迎えたという方も少なくはありません。
飼い主さん自身でしっかり悩んで考えた結果であれば、どちらでも良いのです。
親しい人がペットロスになった時の接し方
親しい人がペットロスになったら、あなたはどのように声をかけますか?
同じ経験をしたことがある、ないでも変わりますが、共通して言えることはその人の気持ちに寄り添うことです。
何か提案をしたり、無理に励ましの言葉を探したりする必要はありません。とにかく相手の気が休まるまで話を聞き、その人の気持ちを受け入れてあげるだけで良いのです。
この時、相手を責めるような言葉や安易な言葉を言わないことが大切です。話を聞こうと相手が言いたくないことまで言わせようとする質問もNGです。
• 寂しいなら二匹目を飼ったらどうか
• (まだ若いのに)(そんな亡くなり方は)可哀そうだね
• どうして亡くなったの?
このような言葉は相手を深く傷つけることがあるので口にはしないで下さい。
あくまでも相手に任せ、聞き役として接してあげましょう。話を聞いてあげる以外にも、祭壇に飾るお花・線香を贈る行為もあります。
あなたの優しい言動により、きっと相手も心が落ち着くはずでしょう。
ペットと飼い主さんとの絆が深く、飼い主さん自身の感受性が高ければ高いほど、ペットロスの症状が強く出てきます。
大切な家族との別れに、大きな喪失感を感じない人はいません。
人に話しにくい、話したくないという思いもあるかもしれませんが、1人で塞ぎこんでしまい辛い時は、周りの親しい人や専門医に相談することも大切です。今の気持ちを伝えて心の支えとなってもらう事が大事なのです。