ワンちゃんが毎日楽しみにしているお散歩、寒い季節でも欠かすわけにはいきませんよね。童謡にもあるように、ワンちゃんは雪の中でも元気に走り回っているイメージがありますが、実は冬季の犬のお散歩にはさまざまな危険が潜んでいることをご存知でしょうか?
そこで今回は、愛犬との冬のお出かけで注意すべきポイントをご紹介していきます。
触れるだけで危険な融雪剤・凍結防止剤に注意
▲凍結防止剤が撒かれた道路
雪深い地域では当たり前に散布されている融雪剤ですが、実は素手で触ると皮膚が赤くなったり火傷のようにただれたりする危険度の高い薬剤です。融雪剤が撒かれた道路を無防備に歩くことで、ワンちゃんの肉球を傷つけてしまう恐れがあり、何か月も炎症が残ってしまったケースも報告されています。
また、誤って融雪剤を食べてしまった場合も、下痢や胃腸炎などの原因となってしまいます。降雪前に散布して道路の凍結を防ぐ凍結防止剤についても、口に含むと中毒症状を引き起こしてしまうことがあり、用心しなければなりません。
▲融雪剤は、雪に混ざっていても見分けることが難しい
雪を食べる癖のあるワンちゃんは意外と多いのですが、このように有害な物質を誤飲してしまう可能性があるため、やめさせた方が無難でしょう。直接食べていない場合でも、肉球の裏を舐めとることで知らずに摂取してしまう恐れもあるのです。
融雪剤や凍結防止剤は白色で雪と見分けがつきにくいため、特に注意が必要になってきます。薬剤が撒かれている道では、抱っこしたり犬用のブーツを履かせたりするなどの対策を取りましょう。
不凍液(クーラント)漏れの怖さ
意外と知られていないのが、車や住宅の暖房ボイラーに使用されている不凍液(クーラント)が漏れていた場合の危険性です。
不凍液はエンジンや暖房の内部を循環する冷却水の一種なのですが、メンテナンス不足により濃度が薄かったり劣化していたりする場合、冬場には凍結して体積が膨張し、部品を破損させて機械の外へ漏れ出てしまうことがあります。
実は不凍液の主成分であるエチレングリコールは甘い味とニオイのある液体のため、ワンちゃんや猫ちゃんが好んで舐めてしまう傾向があるというのが恐ろしいポイントです。小型犬や猫ちゃんの場合、なんと1mm以下の摂取量で死に至ってしまう危険度の高い劇薬となります。
万が一ペットが舐めてしまったかもしれないと感じたら、一秒でも早く動物病院へ連れていき、処置してもらうことが重要です。
不凍液はほとんどの場合で青やピンクなどの目立つ色で着色されているため、車の下や住宅のボイラーの付近などでカラフルな溶剤が漏れているのを見かけたら決して近づかないようにしましょう。
寒暖差にも注意。ヒートショックについて
寒さに強いイメージのあるワンちゃんですが、仔犬やシニア犬、持病がある子や肥満ぎみの子、もしくは痩せすぎの場合は、急な寒暖差によりヒートショックを起こしてしまうことがあります。
突然ふらついたり、嘔吐や下痢、呼吸の乱れなどの異常が見られたりする場合は、すぐに動物病院に連絡するようにしてください。もしヒートショックを起こしていたら、愛犬の命に係わる恐れも。
・外出時は洋服やブーツを装着させる
・おうちのなかで少し運動してから出かける
・玄関などでしばらく寒さに慣らしてから出かける
・できるだけ寒暖差の少ない時間帯を選ぶ
・血流をよくするマッサージを行う
上記のような方法で冬のお散歩によるヒートショックのリスクを減らすことができます。健康に不安のあるワンちゃんの飼い主さんは、ぜひ取り入れてみましょう。
正しい知識で楽しいお散歩を
さまざまな季節が楽しめるのは日本の美徳でもありますが、夏場や冬場はとくに、ヒトより全身が地面に近い位置にあるワンちゃんには特別な配慮が必要だといえるでしょう。言葉で伝えることができないぶん、飼い主さんがあらかじめ危険を回避することが大切です。
正しい知識を持って、愛犬と四季のお散歩を楽しんでくださいね。
関連ブログ
・愛犬の気管虚脱、予防や治す方法はある?
・犬のかかりやすい病気vol.1~外耳炎
・シニア期からの運動!飼い主ができるサポートと注意点は?
・愛犬がシニア期になってしてあげられる事は?飼い主と老犬の付き合い方
・犬のかかりやすい病気vol.2~下痢
・犬のフィラリア症、感染率はどれくらい?もしも感染してしまった時は?
・ 犬のフィラリア予防、病気の実態や飲み忘れ時の対応方法とは
・犬の心臓の病気、僧帽弁閉鎖不全症とは?治療や予後について徹底解説します。
・犬の避妊手術、しないとどうなる?メリットやデメリットとは
・愛犬の気管虚脱、予防や治す方法はある?
・犬のかかりやすい病気vol.1~外耳炎
・シニア期からの運動!飼い主ができるサポートと注意点は?
・愛犬がシニア期になってしてあげられる事は?飼い主と老犬の付き合い方
・犬のかかりやすい病気vol.2~下痢
・犬のフィラリア症、感染率はどれくらい?もしも感染してしまった時は?
・ 犬のフィラリア予防、病気の実態や飲み忘れ時の対応方法とは
・犬の心臓の病気、僧帽弁閉鎖不全症とは?治療や予後について徹底解説します。
・犬の避妊手術、しないとどうなる?メリットやデメリットとは