ワンちゃんが下痢をする原因は様々です。ストレスからお腹を下してしまう事もあれば寄生虫が原因になっていることも。食欲や元気はある、原因が思い当たらない、など動物病院を受診するタイミングに迷う方も多いかと思います。
そこで今回は下痢を引き起こす要因や症状、受診のタイミングについてご紹介します。
下痢の症状とは
ワンちゃんの便は水分量が80%を超えるとゆるくなり下痢状の便になります。
掴むことはできるけれどシーツに残ってしまう程度であれば軟便、掴むことはできずドロっとしている場合は泥状便、シーツに全て吸収されてしまうほど形がないものを水様便と呼びます。
腸の炎症が起きていると便に赤や黒色の血液が混じる事や腸管の粘膜が剥がれ落ち、プルプルとしたものが一緒に出てくる事もあります。 便中には様々な常在菌が存在していますが下痢になっている時はこの細菌バランスが乱れてしまっているのです。
腸内の炎症が起きている箇所によっては便をしたくても出せず何度も排便姿勢を取るようなしぶる仕草が見られることも。
下痢になってしまう要因
ワンちゃんが下痢になってしまう代表的な要因は以下のようなものがあります。
■ストレス
ワンちゃん達はとってもデリケート。来客があった、家庭環境に変化があった、近所で工事をしている、花火や台風の音が怖かった、など日常生活の中に体調を壊す要因が隠れているかもしれません。
ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れ腸に刺激を与えてしまうため下痢症状に繋がってしまいます。
■誤食
緊急性が高い要因が誤食です。人間用の薬や中毒性のある食べ物、植物などを誤って食べてしまうと中毒の初期症状として下痢が見られます。
この場合は誤食してからできるだけ早い段階で対処する必要があります。
■食事
食物アレルギーやフードの腐敗、酸化によって下痢を引き起こすこともあります。新品にも関わらず特定の食事で下痢を繰り返す場合にはアレルギーの可能性が高いかもしれません。
■寄生虫
回虫やコクシジウム、ジアルジアなど寄生虫が要因で下痢をしていることもあります。子犬に多く見られますが山や川など自然の多い場所に行く機会が多いと成犬期以降でも見られます。
■パルボウイルス感染症
子犬期に多い感染症で命の危険もある感染症です。下痢はパルボウイルスの代表的な症状で、体の小さな子犬期ですと脱水も進行させてしまうため非常に危険です。
ペットショップやブリーダーの元で感染し、飼い主さんのおうちにきてから症状が出始め発覚するケースが多くあり、通常の下痢以外に血液交じりの便をする、嘔吐、衰弱などの症状が見られます。症状の進行具合によっては輸血や長期の入院が必要になる事も。
動物病院受診のタイミング
動物病院に行くタイミングはワンちゃんの体調と照らし合わせて判断しましょう。
食欲や元気があり下痢していること以外普段と変わらないようであれば1日様子を見ても大丈夫しょう。それでも2日以上続く場合には是非受診してくださいね。
1日に何度も下痢を繰り返すようであれば脱水する可能性もあるため早めに診てもらって下さい。
また子犬期、シニア期や誤食、血交じりの便があてはまる場合は、様子を見ず早急に受診してください。 その際、便を持参すると診療がスムーズです。
視診の他、顕微鏡検査に使用することがあります。サランラップやプラスチック容器など便の水分を吸収しないものに包んで持参するとよりいいでしょう。持参が難しい場合にはスマートフォンなどで撮影した写真でもOKです!
治療方法
犬の下痢症状の治療は乱れた細菌バランスを整える「整腸」と「要因の除去」がメインになります。便検査で寄生虫の有無や細菌バランスを確認したのち、症状に合わせたお薬が処方されます。
腸に炎症がある場合には抗生剤やステロイドが出ることもあるでしょう。アレルギーや感染症、誤食が確認できた場合は下痢の治療と並行してそちらの治療も行い根本的な要因の除去を進めていきます。
下痢症状は緊急性が低いものから高いものまで様々です。迷った時は是非上記を参考にしてみてくださいね♪