犬のかかりやすい病気vol.1~外耳炎

犬の耳は入り口から鼓膜までがL字型になっています。そのため耳内が非常に蒸れやすく外耳炎を引き起こすことも珍しくありません。

特に梅雨~夏場は要注意シーズンになりますので、少しでも外耳炎について知り、もしもの時に落ち着いて対処できるようにしましょう。

犬の外耳炎とは

犬 病気

外耳炎とは耳内で細菌が増殖し炎症を起こしている状態を指します。

外耳炎になると耳内に赤みが見られ、強い痒みや痛みを感じるようになるため、耳の違和感から頭を振る、耳を床にこすりつけるなどの仕草が見られることも。

また症状が重篤化すると、膿状の耳ダレが出てくることや耳道が腫れ、聴力に支障をきたすこともあります。

原因となるマラセチア菌は常在菌ですから、他の犬や飼い主さんにうつることはないので安心して下さい。

治療について

犬 治療

外耳炎の治療期間や費用は、自由診療のため病院や症状の度合いによって大きく変わります。

症状が軽度であれば完治までにかかる期間は約2週間、費用は1~2万円前後ですが、重度の場合は定期通院の他、耳洗浄や外用薬、内服薬、顕微鏡検査、細菌培養検査などが必要となり期間は数か月から1年かかってしまうケースも。

また費用は数か月でも5万円前後になります。

治療方法

犬 外耳炎

外耳炎の治療方法は様々ですが、「点耳薬」という耳の中に直接滴下する薬を使用した治療方法が一般的です。

耳垢や耳ダレがひどい場合には、まず「耳洗浄」を行い、耳の中の汚れを全て外に出してから点耳薬を使用します。耳洗浄、点耳薬で改善が乏しい場合や、治療開始時点で既に症状が重度の場合には抗生剤や抗菌剤の内服薬も併せて服用します。

点耳薬を滴下したあとは耳介部分にも指の腹を使って薬液を塗り込み、更に耳の外側から耳道部分を揉んであげるとより薬液が耳内に浸透し効果が発揮されます。

点耳薬が苦手な犬もいるため液体タイプの他に軟膏タイプや一度の滴下で効果が長期間継続するタイプの点耳薬など様々な薬も発売されています。

ウェルメイトL3
主に病院での治療に使用されることが多い液体タイプの点耳薬です。毎日1回~2回耳内に入れて使用します。

ヒビクス(ドルバロン)
軟膏タイプの点耳薬です。耳だけでなく皮膚に使用することもあります。※現在ドルバロンは廃盤になり、ヒビクスで代用されています。

オスルニア
1週間効果が持続する粘液状の点耳薬です。基本的には2回の使用で改善が認められます。

ネプトラ
1度の点耳で効果が28日間継続する粘液状の点耳薬です。症状が軽度の場合には追加の点耳は必要なく1回きりの点耳で治療は終了します。

間違いやすいその他の病気

犬 外耳炎とその他

外耳炎と似た症状が出る病気が「耳血腫」です。初期は外耳炎と同様に頭を振る、耳をこすりつける、など外耳炎によく似た症状が見られます。

耳血腫は外耳の皮膚と軟骨の間に血液がたまりぷっくりと腫れてしまう病気で、外傷や外耳炎の悪化が起因となり発症します。

外耳炎とは異なり外科的な処置が必要となりますが外耳炎を併発している場合にはそちらの治療も合わせて行っていきます。

予防しましょう

犬 予防

外耳炎は日頃のケアである程度予防できる疾患です。

毎日、ワンちゃんの耳の中の状態を確認し、汚れや臭いが気になる時には耳掃除をしてあげましょう。

ただし、人間用の綿棒は耳内の皮膚を傷つけてしまう可能性がありますので、コットンや犬専用の洗浄綿を使用しましょう。洗浄液も同様に犬専用の低刺激のものがおススメです。

耳掃除のしすぎはよくありませんので、頻度など、かかりつけの獣医師にご相談してみてくださいね。



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