人間でも注意が必要な乳腺腫瘍。若くても発症のリスクがあり、セルフチェックが発覚のポイントになることも多くあるようです。
この病気、実は猫ちゃんでも多く見られるということをご存知でしょうか?猫ちゃん達の乳腺腫瘍は悪性である可能性が極めて高く、できるだけ早く見つけてあげる事、また見つけ次第すぐに治療をスタートする事がとても重要です。
今回は猫ちゃんたちの乳腺腫瘍にスポットをあてご紹介していきます。
猫ちゃんの乳腺腫瘍
猫ちゃんの乳腺腫瘍、その悪性率はなんと80~90%と言われています。転移する可能性も高く、発見したらすぐに切除することが推奨されています。
発症する年齢は10~12歳前後で、避妊手術を受けているか否か、手術を受けた時期はいつか、によって発症率が変わってきます。99%メスに見られる病気ですが、ごくまれにオスでも発症することがあります。
悪性の乳腺腫瘍は乳がんと呼ぼれていて、放置すればあっという間に大きくなり転移を繰り返していきます。乳がんの大きさが2センチ未満で発見、治療を開始した場合の平均余命は約4.5年ですが、2センチ以上だと大幅に短くなり6か月~2年というデータもあるほどです。
小さいうちに見つけられるよう、普段から触って確認する習慣をつけておきたいですね。
治療の方法
猫の乳がん治療の方法は大きくわけて2つ。外科的な手術で腫瘍を切り取る、もしくは内科的な抗がん剤治療を行っていくことです。
原則、手術を行い腫瘍化している乳腺を切り取ってしまう事が第一選択とされています。腫瘍になっている箇所が1つだけでも転移している可能性を考慮し、片側全ての乳腺を切除する事や2回に分け全ての乳腺を切除するようなケースも多々あります。
麻酔をかけ、大きな傷口を作ってしまう事に抵抗を感じる飼い主さんもいるかもしれません。しかし、腫瘍ができるたびに麻酔をかけて切除するよりは、1度に済ませてしまった方が負担は少なく済むでしょう。
また放置された腫瘍は自壊といっていずれ爆発してしまい、猫ちゃんが強い痛みを感じるようになることもあります。
年齢的な問題や費用面で手術に踏み切ることができない場合や手術後に転移が見られるような時は、抗がん剤治療が選択されます。完治する可能性は低いものの、ガンの進行を遅らせることが可能です。
中には既にハイシニアで無理な治療は行いたくないという方もいらっしゃいます。そのような時は痛みを抑えるだけの対症療法など、無理なくしてあげられる治療を獣医師と相談のうえ行っていきましょう。
乳腺腫瘍を予防する確実な方法
恐ろしい乳腺腫瘍ですが、実は90%以上の高確率で予防することが可能な病気でもあります。その方法は【避妊手術を受ける】ことです。ただし、いつ受けてもいいというわけではありません。
生後半年前後で手術を受ければ90%、1歳未満であれば80%の確率で乳腺腫瘍の発症を防ぐ事ができますが、2歳以降ではほとんど予防効果はないとされています。
避妊手術を検討されている場合はできるだけ若齢のうちに受けておきましょう。
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もしもしこりを見つけたら
もし愛猫ちゃんのおっぱい近くにしこりを見つけたら、慌てずにかかりつけにかかりましょう。まずは見つけてあげられたことが素晴らしいことです。
治療の進め方は動物病院によって様々。手術や抗がん剤、対症療法、選択肢も多く迷ってしまう事もあるかもしれません。飼い主さんの気持ち、愛猫ちゃんの状態、色々な部分を考慮し獣医師に相談してみましょう。
猫ちゃんの乳腺腫瘍はとにかく早期発見、早期治療がポイントとなります。お腹を触る習慣をつけ、月に数回チェックする日を設けておくと万全です。
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