猫の食欲不振、様子見NG?早めの受診で愛猫の体を守りましょう

 猫 食欲不振


愛猫のご飯タイム、定刻になるとニャーニャー鳴いて催促する子もいますよね。猫ちゃんの体内時計は驚くほど正確で、うっかり忘れてしまっても本人がお知らせしてくれる、なんてことも珍しくありません。

ですが、そんな愛猫がもしご飯を欲しがらなくなったら…?

一度だけならお腹が空いていなかった、他に夢中になることがあった、などの理由が考えられますが全く欲しがることがなくなった、出しても食べない、という時は危険サイン。早急な受診が必要となります。

そこで今回は猫ちゃんの食欲不振について、考えられる原因や受診のタイミングをご紹介していきます。


猫の食欲不振の原因

猫 食欲不振 受診タイミング

猫ちゃんの食欲不振は様々な原因が考えられます。若く健康な子であれば、単純にフードに飽きてしまったという事もあります。また綺麗好きな猫ちゃん達は、食器やその周辺が汚れているとご飯を食べたがらない事も。複数のフードをローテンションしてあげる、食器やご飯スペースは清潔にしておく、食事環境を整えてあげることはとても大切です。

また発情中も食欲はガクンと落ちます。未避妊、未去勢の猫ちゃんであれば発情がきている可能性もあるかもしれませんね。

その他猫ちゃんに多い腎不全ではもちろん、膵炎や消化不全、内臓器に何らかのトラブルが起きている時も症状として食欲不振が現れます。自宅で原因を特定することは難しいと考え、症状が続くときは早めに受診なさってくださいね。


何日食欲不振が続くと危険?

猫 食欲不振 危険サイン

原因が何であれ、全くご飯を食べない状況が続くことは猫ちゃんの体に危険が及ぶ可能性があると頭に入れておきましょう。

様子を見ていい時間は、個体差もありますが原則24時間です。この間は普段と違うウェット缶をあげてみる、フードを少し温めて香りを立たせる、いつもとは違うアレンジを加え食べてくれるか試してみてくださいね。食べない時間が48時間、そして72時間を超えた場合は早急に動物病院を受診なさってください。

なお子猫ちゃんは低血糖になる可能性もあるため更に短い8時間が限度です。食欲不振意外に嘔吐や下痢など他の症状が出ている時は様子を見ることなく受診することをおすすめします。


食欲不振を放置するとどうなってしまう?

猫 食欲ない 危険

食欲不振を放置すると体の水分が不足し脱水状態になってしまうことも。逆にお水は沢山飲むのに食事はとらない、という場合には何かしらの病気のサインという可能性もあります。

食事もお水も全くとることができない状態が数日続くと全身の脂質が肝臓へ吸着され肝細胞が働かなくなる【肝リピドーシス】という状態を引き起こします。これは数日あるいは数時間で肝不全状態へ移行、命に関わる重篤な状態へと変化していきます。

こうなると耳や肉球、お口の中、眼球、全身の至る所に黄疸が見られるようになり徐々に動く元気もなくなります。肥満体で脂質が多い猫ちゃんが特になりやすいと言われていますが、シニアであったり持病があれば体型に関係なく発症します。また今まで見た患者さんの中には、若く健康で標準体型だった猫ちゃんも多くいましたので、年齢や体型に関係なくどの猫ちゃんにも発症するリスクはあると考えておきましょう。


動物看護師からのお願い

猫の食欲不振 よく観察 お願い

私たち動物病院のスタッフは来院されたペットの状態を改善、緩和できるよう全身全霊をささげて処置させていただきます。ですが本人の体力、体の状態によっては最善を尽くしても助けてあげられないこともあります。

例え若くても、過保護かな?と思っても、食欲がない時は様子を見ずにご来院いただきたく思います。実際に治療の開始があと数日早ければ…と涙をのんだことがこの15年間の間に何回もありました。

最初はなんてことがない理由から食事を敬遠するようになったのだとしても、数日続けば体に影響が出始め、食べたくても食べる事ができない状態へ変わってしまいます。そうなってしまうと重篤化するまでの時間はそう長くはかかりません

一匹でも多くの猫ちゃんが元気におうちに帰る事ができるように、飼い主さんの涙が減らせるように、食欲不振の危険性を頭の片隅に置いていただけると嬉しく思います。

もし受診を迷った時はぜひ動物病院にご相談してください。


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