ふわふわとした柔らかい毛並みを優雅に毛繕いする姿が魅力的な猫ちゃん。「せっかくの美しい被毛が、最近よく抜けるけど大丈夫?」と気になっている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は猫ちゃんの抜け毛は、単なる季節の変化による自然な生え変わりだけではなく、病気やストレスなどさまざまな原因が考えられるのです。今回は、猫ちゃんの抜け毛の理由や対策についてご紹介していきます。
主な抜け毛の原因は?
【換毛】
抜け毛の原因としてまず挙げられるのが換毛です。年に2回ほど季節の変化にあわせて毛の量を調整し、寒暖差に適応するもの。
オーバーコートとアンダーコートと呼ばれる2層の被毛を持つダブルコートの猫ちゃんに訪れる換毛期では、身体の表面を撫でるだけで大量の毛が抜け落ちるようになります。
【ストレス】
猫ちゃんが過度に毛繕いを行っている場合は、強いストレスを感じているのかもしれません。毛繕いには被毛の汚れを取るだけでなく、気持ちを落ち着かせる目的もあります。
いつもより頻度が高かったり、尻尾を噛んだりしている場合にはストレスを発散しやすい環境つくりをしてあげましょう。
【栄養不足】
栄養不足も抜け毛の原因となります。健康的な被毛を保つには、まず質の高いタンパク質が豊富に必要です。筋肉だけでなく、皮膚や毛を作るためにもタンパク質は重要で、不足していると毛が細くなり、抜け毛にもつながります。
また、皮膚を健康に保つビタミンAや、炎症を抑え感染症などから身体を守るオメガ3脂肪酸も、皮膚の抵抗力を高めて毛根を守る大切な栄養素です。特にオメガ3脂肪酸は、食事だけではなかなか摂るのは難しいため、猫用のサプリなどを活用するのもオススメです。ただし、過剰な摂取は控えましょう。
抜け毛は病気のサインである可能性も!
【皮膚トラブル】
夏や冬に差し掛かる換毛期に毛がたくさん抜けるのは自然なことですが、フケや湿疹、痒みなどを伴っている場合には、下記のような病気が隠れている可能性も考えられます。
・アレルギー性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・ステロイド皮膚症
・猫ニキビ
・ツメダニ症
・疥癬(かいせん)
・皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌(カビ)が傷ついた皮膚などから侵入し、弱った毛がちぎれたり、脱毛症状を起こしたりします。検査ではウッド灯と呼ばれる検査機器を使用し、光を当てると感染した毛が反応します。人獣共通感染症なので、飼い主さんにもうつってしまう恐れがあり、ヒトの場合はリング状の赤い発疹ができます。
皮膚の状態や免疫力、環境によっては放っておくと症状がすぐに広がり悪化することがありますので、抜け毛の原因が皮膚トラブルと考えられるときには、病院での早めの受診をオススメします。
【グルーミングによる抜け毛と毛球症】
毛繕いの最中に猫ちゃんが自分の毛を飲み込んでしまうのはよくあることです。しかし、必要以上に被毛を体内に取り込んでしまうと、毛球症の原因になります。
猫ちゃんは食べたものや胃液を吐き出す習性がありますが、そのなかでも胃や腸で絡まって毛玉となった自分の被毛を吐き出してしまうことを毛球症といいます。小さな塊であれば自然と排せつされますが、ある程度の大きさになると排せつされず口から吐き出されてしまうのです。
こまめなブラッシングや、猫草を与えてみるなど猫ちゃんにあった工夫をしてみましょう。
ブラッシングで病気のリスク軽減と早期発見を
皮膚病や毛球症の予防として効果的なのが、定期的なブラッシングです。余分な毛を取り除くことで皮膚を清潔に保つだけでなく、猫ちゃんの毛繕いの回数を軽減させ、飲み込む毛量を抑える効果が期待できます。毛玉をスムーズに排泄できるよう繊維と油脂を適度に含んだフードやサプリメントも、毛球症の予防に効果的!
また、猫ちゃんが高齢になると体力の低下によって毛繕いの頻度が減り、毛玉ができやすくなってしまいます。特に長毛種の場合は注意が必要です。もともときれい好きな猫ちゃんだからこそ、自分で毛繕いができなくなっても、飼い主さんのケアでいつでも清潔にしてあげたいですね。
ブラッシングは病気や体調の変化などに素早く気づくきっかけにもなります。楽しくコミュニケーションを取りながら、愛猫ちゃんの健康チェックを習慣付けるようにしてくださいね。
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