普段は予防注射や病気の時にかかる動物病院。苦手意識を持っているワンちゃんも多いですよね…!でも急なお出かけや旅行時に動物病院のペットホテルを利用する機会もあるかもしれません。
ただでさえ苦手な病院にお泊りなんて大丈夫かしら…と心配になる方も多いはず。そこで今回はペットホテルの一例として私が勤務している動物病院での対応やワンちゃん達の様子をご紹介してみたいと思います!
ワンちゃん達のお部屋
動物病院で用意されるお部屋は入院室兼、宿泊部屋です。
ホテル専門施設のような開放的なお部屋ではありませんが、ワンちゃんの体格に合わせ横になったり動き回るスペースが確保されたサイズのお部屋を用意します。
多頭飼いで同室希望であれば大きなお部屋を用意することも可能ですが、自宅とは違い、限られたスペースで1日中一緒に過ごすストレスを感じて喧嘩になってしまう事もありますので、スタッフとも相談してみてくださいね。
お部屋の中に入れるのはマット、ペットシーツ、ブランケット、お水、そして飼い主さんから希望があったものです。しかし、おもちゃやトイレマットなどあまり大きなものをお部屋に入れると、ワンちゃんが動くスペースがなくなってしまいますので、事前に確認しておきましょう。
中には時間を持て余してペットシーツを破ってイタズラしてしまう子や、お水をひっくり返して遊んでしまう子もいます。そのような時はシーツをテープで固定したりボトルタイプのお水に変更したりと、ワンちゃんが安全に過ごせるよう個々で対応しています。
1日のスケジュール
どうしてもペットホテル中は暇になってしまうものですが、ワンちゃん達が退屈しすぎないようお散歩の時間が設けられています。
以前勤めていた動物病院では1日2回、15分前後のお散歩がスケジュールに組み込まれていました。現在勤めている病院では1日3回10分前後のお散歩に出ています。
安全第一、リードはもちろんダブルリードです。雨や雪、強風、猛暑などワンちゃんに危険が及ぶような気候の時は室内で広めのスペースを区切り、自由に動いて過ごせる時間を作ります。
外来が落ち着いている時間帯には、スタッフが遊び相手になるためにお部屋をのぞいたり...おやつタイムを設ける事も!
飼い主さんから預かり中に爪切りなどの処置依頼があった時は、本人の機嫌がよさそうな時に処置も進めていきます。
食事や清掃
お泊り中はいつも以上に食事が大きな楽しみになります。おうちで手作り食をあげている場合でも、冷凍や冷蔵保管できるようにしてご持参いただければ病院でも普段と同じ食事を提供することが可能です。
特にこだわりがなく持参品もない時は、院内で使用しているフードを提供します。イマイチ食が進まない子でも、ウェット缶などでトッピングして様子を見ると次第にガツガツ食べてくれるようになる子が多い印象です。
体調不良時の対応
お泊り中のワンちゃんによく見られる体調不良は「下痢」「嘔吐」「食欲不振」「鼻や爪からの出血」などです。
特にお泊りが3泊以上になってくるとストレスから体調を壊す子が増えてきます。食欲があればお薬を投薬しますし、食欲も落ちてきている時は注射で治療を行います。もちろん全ての治療は獣医師の判断のもと行っています。
中には暇つぶしにマットやシーツを鼻で端っこに寄せる行為を繰り返しているうちに皮がむけ鼻の頭から血がにじむ子や、柵状になっている扉をガシガシ手で引っかくうちに爪から出血してしまう子もいます。
こちらは基本的に自然治癒しますが、症状がひどい時は消毒を行って様子を見ていくことが多いでしょう。
帰宅後のケア
ペットホテル中は体が汚れてしまう事もあります。事前にトリミングの予定も組んでおくといいかもしれません。
またお泊り中どんなに調子が良かった子でも帰宅してから体調を崩すことは少なくありません。それだけ緊張する中頑張っていたのだと受け止めて必要に応じて病院を受診しましょう。
もちろんたっぷり褒めてあげること、しっかり休ませてあげることも忘れないであげてくださいね!
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