シニア期における猫の認知症!初期症状のサインや対処法は?

猫の認知症 初期症状

猫ちゃんは室内飼いが推奨されており、フードの品質や獣医療技術が向上した近年では、猫ちゃんの平均寿命は昔と比べて大きく伸びてきています。嬉しい反面、ヒトやワンちゃんと同様に、猫ちゃんも認知症を患うケースが増えていることもわかってきました。

ヒトやワンちゃんに比べると、認知症は症状が目立ちにくく、発見が遅れてしまうことが多いと言われています。では、どのようにして認知症に気づくことができるのでしょうか。

今回は、猫の認知症のサインや対処法などについてご紹介します。


“今までと違う"が認知症の気づき

猫の認知症 症状

猫の認知症の症状として、下記のような行動が目立つようになってきます。

・徘徊・夜鳴きをする
・甘えるようになる
・攻撃的になる
・頻繁にトイレを失敗するようになる
・名前を呼んでも反応しなくなる
・食べ物の好き嫌いが変わる
・大好きだったおもちゃに興味を示さなくなる

これらの共通点は“今までと違う"というところです。今までできたことができなくなる、今まで好きだったことを全くしなくなる、という変化は「もしかして認知症?」という気づきへとつながります。

「高齢になったから」「老化現象の一つだから」と自己判断するのではなく、このような症状は認知症なのか、それとも他の病気が隠れているのかを獣医師さんに相談することが大切です。

動物病院では、各症状にあてはまるような病気がないかどうかを調べてから判断します。ふらつきや夜鳴きは動画で記録をしておくと、獣医師さんに症状を伝えやすく役立ちますよ。


症状に適した対処を

老猫 トイレ 出入り口が低い
▲足が引っかかることなくスムーズに出入りしやすい猫トイレ”Kitty and Puppy Pan

徘徊することで家具の隙間に入って出られなくなったり、壁や柱にぶつかって怪我をしてしまったりすることがあります。その際は、角のない円形のケージなどで囲い、行動範囲を少し狭くしてみましょう。ただし、常に入れておくのではなく、飼い主さんが自宅にいるときや、一緒にコミュニケーションがとれる際は広い場所を自由に歩けるようにしてあげてくださいね。

また、外に出てしまうと帰って来れなくなってしまう可能性も出てきますので、今まで以上にドアの開け閉めには注意しましょう。

粗相が増えている子なら、まずはトイレを出入りがしやすい形状のものに変え、設置する場所を増やして様子をみます。それでも失敗が多いようなら、おむつなどのアイテムを導入するのもおススメです。初めは嫌がってしまうかもしれませんが、まずは短時間から、適したサイズのものを少しずつ試してみましょう。

それでも嫌がってしまう場合は、おむつカバーやエリザベスカラーを付けて自分では外せないようにし、ゆっくりと慣らしていきましょう。おむつ自体の匂いを嫌がる子も意外と多いので、初めは無香料のものがいいですよ♪


予防や治療薬は?

認知症猫 予防 改善方法

残念ながら、認知症を完治する治療薬はまだありません。しかし、魚肉や魚油に含まれるEPA・DHAは認知症の予防や症状の進行を遅らせる効果があります。獣医師さんに相談しながら、食事やサプリメントで取り入れてみるのもいいですね。

また、脳の活性化させるためにコミュニケーションの時間を増やしたり、適度な運動や日光浴をさせてあげたりするのも効果的だといわれています。昼に活動し、夜に自然と眠りにつくことで、夜鳴きの対策にもつながり一石二鳥です!




受け入れて、寄り添って

シニア期 猫の認知症

今までできたことができなくなるのは、猫ちゃん自身もきっと不安を感じているでしょう。そして、認知症の症状の中には、飼い主さんにとって困った行動もあるかもしれません。無理をしすぎず、介護に疲れたときには獣医師さんやペットシッターさん等を頼ることも検討してみてくださいね。

受け入れて、寄り添って、なるべく不安を感じさせないようにひとつずつサポートしてあげることが大切です。猫ちゃんにとって、大好きな飼い主さんのそばで過ごすことが1番の治療薬かもしれません。

愛猫ちゃんとの幸せな時間が、ずっと続きますように。





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