ペットにサマーカットは必要?メリット・デメリットを考える

犬 サマーカット

記録的な猛暑が続き、ペットの暑さ対策が気になるところですよね。ヒトと違って全身がふわふわの毛に覆われたワンちゃんや猫ちゃんは、見た目にも暑そう…。この季節になると、さっぱりと被毛を刈り込んだ「サマーカット」にする子も増えてきます。

普段の姿とは違ったスタイルが新鮮でとってもかわいい「サマーカット」ですが、実はペットにとって危険を伴う場合もあることをご存じでしょうか?

今回は、サマーカットのメリット・デメリットを併せてご紹介したいと思います。


サマーカットのメリット

猫 サマーカット メリット

■熱がこもりにくく涼しい

サマーカットのメリットの一つは、やはり風が肌に当たりやすく涼しいことです。通気性も上がるので、皮膚が蒸れてしまうことを防いでくれます。見た目にも涼やかで、SNSでも注目の的になるかもしれません。

■手入れしやすく、皮膚トラブルに気づきやすい
長毛種だとどうしても手間が掛かってしまうブラッシングやシャンプーの時間が短縮されるので、飼い主さんにとってもペットにとってもお手入れのストレスが軽減されます。おしりの周りの毛を短くカットしてあげることで、ウンチのふき取りもぐっと楽になりますよね。

また、普段は被毛で隠れがちな皮膚トラブルに気が付くきっかけにもなることもあります。皮膚疾患がある子は、獣医師さんの指示でメンテナンスしやすい長さにカットする場合もあるのです。


サマーカットのデメリット

犬 サマーカット デメリット

■皮膚が直射日光にさらされる

メリットの面で「涼しい」と前述しましたが、皮膚が太陽光に直接晒された場合、実は体感温度は毛に覆われている場合よりもぐっと上昇してしまうことがわかっています。被毛が天然のラッシュガードの役割を果たしており、ある程度の温度調整を行ってくれているのです。

また、ワンちゃんや猫ちゃんの皮膚は、ヒトよりもずっと薄くて繊細です。直射日光を浴びることで、日光過敏症という皮膚炎になってしまう恐れがあります。症状が進行すると、扁平上皮がんを発症し、切除などの処置を行わなければならなくなる可能性もあるのです。

■ノミ・ダニや蚊に刺されやすくなる
ガードが薄くなるため、ノミやダニ・蚊といった害虫に刺されやすくなるのもデメリットの一つです。お散歩中に草むらに入っていってしまうようなワンちゃんは特に要注意と言えるでしょう。

虫刺されはかゆみを伴うだけでなく、フィラリアなど命に係わる重篤な感染症を引き起こす恐れもあります。

■毛質が変わる・生えなくなる子も
バリカンで丸刈りに近いサマーカットに仕上げた場合、暑い季節にはちょうど良くても、冬になっても毛が生えてこなくなったり不揃いになってしまったりすることがあります。毛質が変わって艶々だった毛並みがすっかりぼさぼさになってしまった…と後悔するケースも。


メリット・デメリットを考えて適切な処置を

ペット サマーカットとは

愛犬・愛猫の被毛に関しては、真夏でもブラッシングで毛をしっかりといてあげるだけで十分、という専門家の声もあります。カットする場合も、皮膚が直接見えるほど刈り込むのではなく、おなかの周りなど、直射日光に晒されない場所を短くしてあげる程度がおすすめです。

全体を短くする場合は、日光や冷房の冷え込みに対応できるよう、通気性の良い服を着せてあげるなどの対策を行うようにしましょう。また、暑い時間帯を避け、早朝や夕方にお散歩することも大切です。

トリマー サマーカット

ワンちゃんについては、犬種によってサマーカットの向き・不向きも異なってきます。普段からトリミングが必要で服を着ることに抵抗のない子などは、ある程度短くしたほうが快適な場合もあるのです。猫ちゃんについても、寒い地域が原産の子は長毛であるデメリットの方が大きいケースもあります。

見た目のかわいさや「なんとなく涼しそうだから」という理由で安易にサマーカットを行うことは得策とは言えませんが、トリマーさんとも相談しながらペットにとって何が一番大切かを見極められるといいですね。



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