
つい触りたくなってしまう愛犬の肉球。ムチムチとした指がお行儀よく並び、不思議と香ばしい香りがする、ワンちゃんの肉球を見ているだけでなぜかとっても愛おしい気持ちになりませんか?
でも、この肉球、実は可愛いだけではないんです。ワンちゃんたちにとって肉球は生活を送る上で重要な器官。
最近では災害現場で活動する救助犬の姿を見て、「どうして靴を履かせていないの?」と疑問に思った方もいたのではないでしょうか。今回は、犬の肉球の働きや、救助犬が靴を履かずに活動する理由について詳しく解説していきます。
犬の肉球にはどんな働きがある?

ワンちゃんたちの肉球にはこんなにたくさんの働きがあります。
■クッションのように足への衝撃を和らげる
肉球の外側は角質層という硬い皮膚で覆われており、内側は弾力性のある分厚い組織と脂肪組織でできています。この肉球がクッションとなり、歩いたり走ったり、ジャンプをしたときに足へ加わる衝撃を吸収し関節や骨などへの負担を和らげてくれています。
■体温調節をする
汗腺がないワンちゃんたちですが、実は肉球にだけはエックリン汗腺というものがあり、人間のように汗をかくことができるんです。暑い時は汗腺を働かせ体温調節を行っています。ちなみに緊張した時も肉球が汗ばむ子が多く、勤務中は診察台の上に汗でできた足跡をよく発見します。
■地面の状態を感じ取る
肉球には感覚をつかさどる神経があるため、地面の硬さや凹凸、温度を感じ取ることができます。人間でいう手の平のような感覚ですね。ワンちゃんたちは肉球から得られる情報をもとに、足の置き方や歩き方を調整していると考えられています。
■滑りにくくして歩行を助ける
肉球の表面には乳頭という細かな凹凸があり、これが地面との摩擦を生んで滑りを防ぐ役割を果たします。方向転換や踏ん張るとき、急停止するときなどにブレーキのように働き、スムーズな動きをサポートします。
犬の肉球は意外とデリケート

硬い皮膚で覆われているなら頑丈なんだ、と思われるかもしれませんが肉球はとてもデリケートな部位。乾燥や蒸れに弱く、ひび割れたり、傷ついたりすることも。人間の手の平と表現しましたが人は危険を感じたら手を離すことができますよね。ですがワンちゃんたちは異常を感じても回避することができません。
夏の熱いアスファルトではやけどをする可能性があり、冬の冷たい路面では凍結防止剤が刺激になることもあります。そのため歩く環境の確認や、日頃のケアがとても大切になります。
災害救助犬はなぜ靴を履かずに活動するの?

今回の熊本で起きた震災映像で、がれきの中を歩く災害救助犬をご覧になった方も多いのではないでしょうか?「がれきやガラス片があるのに、なぜ靴を履かせていないの?」と疑問に感じられたかもしれません。
ですが救助犬にとって肉球は地面の状態を感じ取るための大切な感覚器官。靴を履くことで得られる情報が減ってしまうと転倒やパニック、足場の選択ミスなど活動に影響が出る可能性もあるんです。普段の訓練からオーダーメイドの専用シューズを履いている子もいますが、そうではない子にいきなり靴を履かせて現場入りさせることはかえって危険と判断されるケースもあります。
救助犬は日頃からさまざまな環境で訓練を行っている救助のプロ。危険な場所でも安全に活動できるよう準備やケアがされているので「靴を履かせていない=肉球を守っていない」ということではありません。能力を生かして捜索活動を行うための選択と考えましょう。
愛犬の肉球を守るために飼い主さんができること

いかがでしたか?
愛犬の可愛い肉球、実はとても働き者なんです。守るためには、普段から肉球の状態をチェックする習慣が大切です。散歩の前後に傷や出血、腫れ、ひび割れがないか確認してあげてください。
夏は熱くなったアスファルトを避ける、ゴミやガラス片、凹凸が多い道はお散歩コースから外す、など路面の状態確認を忘れずに。靴や靴下を活用する方法もありますが、嫌がる場合や上手に歩けない場合は無理して履かせる必要はありません。乾燥が気になる時は専用クリームで保湿してあげるもいいですね。
ワンちゃんにとって肉球は足を守るクッションであり、地面の状態を感じ取る感覚器官でもあります。肉球の役割を知り、愛犬が安全に歩くことができるようぜひサポートしてあげてくださいね。