最近ではワンちゃんのフードも様々な種類が流通しています。愛犬の好みや体質、一体どのフードなら合うのか…迷ってしまいますよね。
中には手作りのフードやトッピングをしてアレンジされている方も多いかと思います。旬の野菜や果物は栄養価が高く、味や香りも濃厚なため食が細いワンちゃんも喜んで食べてくれますよね。
しかし!ワンちゃん達には口にするだけで命を危機にさらす食材も数多く存在しています。そこで、今回は気を付けて頂きたい食材や、その理由などをピックアップしてご紹介します。
あげてはダメ!中毒を起こしてしまう食べ物とその症状
■玉ネギをはじめネギ属の食材
玉ネギがワンちゃんにとって危険であることは有名ですが、玉ネギに限らずネギ属の食材が全てNGであることをご存知でしょうか?玉ネギ以外ではネギ、ニンニク、ニラ、島ラッキョウなどがあげられます。
ネギ属の食材にはワンちゃんの赤血球を破壊する成分が含まれています。この成分は加熱しても破壊されることがないので調理済みであってもその危険性は変わりません。
中毒を起こすと【溶血性貧血】を引き起こし命に関わる危険な状態になることも…。嘔吐、下血、血尿、痙攣、などの症状が出ることもあります。
体重に対し5g以上摂取してしまうと中毒症状が出始める、と言われていますがその量は個体差があります。基本的に口にすることがないようにしましょう!
■チョコレート
甘いチョコレートは危険食材でありながらワンちゃんが喜んで食べてしまう厄介な存在!カカオに含まれているテオブロミンという成分、ワンちゃん達はこれを分解する力が弱く中毒症状を引き起こしてしまいます。
カカオ濃度が高いチョコレートほど危険で嘔吐や下痢、頻脈、興奮状態、痙攣、などの症状が見られます。多量のテオブロミンを摂取してしまうと勿論命に関わることもあります。
■ブドウ
あまり知られていませんがワンちゃんにブドウは大変危険な食材です。とはいってもブドウに含まれるどの成分が中毒を起こすのかはいまだにはっきりしていません。
ブドウを食べる事で引き起こされる症状はその名の通り【ブドウ中毒】といわれ、小型犬であれば一粒であっても命を脅かす危険があります。
嘔吐や下痢が見られる他、腎臓の数値が跳ね上がり急性腎不全を引きこしてしまいます。腎臓の数値によってはその日のうちに意識が混濁するほどの状態になってしまうことも…。
干しブドウであっても危険性は変わりませんので絶対に与えないようにしましょう。
危険な食材を食べてしまった時は?
落ちた食材を口にしてしまったり、盗み食いをされてしまうケースもあるかと思います。そのようなときは慌てず、まずは電話で動物病院の指示を仰ぎましょう。
誤食の場合、ポイントになるのは
・食べた量
・食べた時間
・症状の有無
になります。
食べてしまった直後であれば嘔吐を促し、誤食したものを吐き出させる処置を行うことができます。もし時間が経過している、既に症状が出ている、といった場合には点滴、入院などの治療を行います。
診察の際は誤食してしまったものを持参して確認してもらうとスムーズです。
中毒症状が出る量は体重だけでなく、ワンちゃんの体質によっても異なりますので決して様子を見ず、獣医師に確認なさってくださいね。
また自宅で嘔吐させる方法は、かえって症状を悪化させてしまうこともありますので絶対にやめましょう!
知る、そして避ける
今回ご紹介したものは危険食材の一部になります。新しい食べ物を与えるときは、必ず安全か調べてからあげる習慣をつけておくと安心です。
実際に危険食材与えてしまい、症状を起こしてからご来院頂く患者様も多くいらっしゃいます。お話を聞くと体に良いと思っていた、喜んでくれたから…と飼い主様の愛情が隠れているのがとても切ないところでもあります。
危険な食材を知り、避けてあげる事が大切です。安心して楽しく食事を楽しんでもらいましょう♪