前回のVol.2では、ペットフードのうちドライフードについては、添加物を避けることがとても難しいということを書かせていただきました。
お読みいただいた人の中には、反対のご意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、ドライフードはれっきとした保存食品です。食べ物を一定期間保存するうえで、何の対策もしない事は、とても危険なことなんです。
今回は、添加物にまつわるほかのお話をさせていただきます。
それは「キャリーオーバー」、そして「加工助剤」というものです。
【今回までの記事】
ペットフードと添加物(vol.1)ペットフードに含まれる添加物とは?
ペットフードと添加物(vol.2)ペットフードに含まれる添加物とは?
原材料に表示義務のない添加物類(キャリーオーバー)
人の食品も同様ですが、ペットフードについても、加工する前の段階で原材料に含まれていた添加物類は、パッケージに表示する必要はありません。例えば、赤色の色素が添加物として使用された「かにかま」を、ペットフードの原材料として加えた場合、色素の記載は不要で、「かにかま」だけでの表記で大丈夫ということになります。
この場合、色素はキャリーオーバーという表示義務のない添加物という扱いになります。
以前にも書きましたが、例えば外国産の肉粉には、エトキシキンという防腐剤が使用されることがあります。
原材料にはエトキシキンと書かれていないペットフードがあり、これもキャリーオーバーの添加物ということになります。
原材料に表示義務のない添加物類 (加工助剤)
加工助剤とは最終製品の原材料を製造する際に、添加物が加えられてはいるものの、製品完成時には添加物は取り除かれているか、もしくは微量になっていたり、問題の無い成分に変えられていたりするものです。まずペットフードでは、酸化を抑えるために加えられているローズマリー抽出物などがあげられます。
ローズマリーの葉や花を、エタノール、ヘキサン、メタノールなどに漬け込んで有効成分を抽出し、溶媒を除去するのですが、その溶媒がペットフードに残留していないかという心配の声が、時々聞かれます。
他に心配されるものとしては、ワンちゃんが噛んで喜ぶおやつである牛皮性のガムがあります。
毛の生えた状態の牛の皮(原皮)が、表面がつるつるのあの白いガムに変化するまでの間に、様々な薬品などに漬け込まれていることから、その残留が懸念され続けているのです。
米国のオンラインマガジン 「dogsnaturally」には、次のような記事が多く見受けられます。
「The Most Dangerous Pet Chew Ever: Rawhide!」
”最も危険なローハイドガム”
「A rawhide stick is not the by-product of the beef industry nor is it made of dehydrated meat. Rather, rawhide is the by-product of the “Leather Industry”, so theoretically it is a leather chew.」
”ローハイドスティックは、牛肉産業の副産物ではなく、レザー(牛皮)産業の副産物である。”
この中の記事に出てくる薬品類が、ワンちゃんの口に入るまでに取り除かれていなければ、大変なことです。
少し話はずれたかもしれませんが、多くの添加物類が、様々な段階で食品に加えられています。外国産のものが多いペットフードの場合、それらはよけいにわかりにくいのです。
見かけには騙されず、その食品は『加工され過ぎてはいないか?』
という疑いの目を持つことが、ペットの健康を守ることにつながるのです。
著者:イノヨシ
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