ペットフードと添加物(vol.2)ペットフードに含まれる添加物とは?

猫のフード

Vol.1では、添加物の基本的な種類とその使用基準などを挙げ、ペットの添加物規制が人と比べてたいへん緩いこと、そして実際にペットで取り決めのある添加物について、どのくらいの量まで許されているのかを、わかりやすい数字を出して比べてみました。

今回は見方を変えて、ペットフードに使用されている原材料や成分と添加物との関係を例に出し、ペットフードの実情をお伝えいたします。


【今回までの記事】
ペットフードと添加物(vol.1)ペットフードに含まれる添加物とは?

 

ドライフードに添加物は避けられない(1)

"Canned pet foods are protected from spoilage by their airtight storage in the can, but dry foods, even with modern packaging, must include preservatives to maintain the quality and safety of the food. "

『缶詰のペットフードは、気密性の高い缶によって中身が保護されていますが、ドライフードの場合は、現代のパッケージを使用しても、食品の品質と安全性を維持するための防腐剤は加えなければなりません。』

(PMFA / Pet Food Manufacturers Association ホームページより抜粋)


先進国においても、ペットフードと添加物は切り離せない実情があることがわかります。では、ドライフードに防腐剤が必要な理由とは、何なのでしょうか?


ドライフードに添加物は避けられない(2)

多くの皆さんが与えている総合栄養食のドライフードは、主に次のような原材料に分けることができます。

1 - タンパク質
2 - 脂質
3 - 炭水化物(糖質)
4 - 微量栄養素

1 - タンパク質は動物性と植物性に分けられますが、ワンちゃんネコちゃんに必要なたんぱく質は、当然動物性の肉や魚です。

私たちがスーパーへ行って、肉や魚を買ってくれば、すぐに冷蔵庫か冷凍庫に入れますが、それは当然、室内にそのまま放置しておけば腐ってしまうからです。

さらに、肉や魚には短い賞味期限が記載されていて、冷蔵庫に入れておいたとしても、賞味期限が過ぎたものは食べない方が多いはずです。

一方、ドライフードには、粉砕され加熱乾燥した肉や魚が入っています。

ペットフードの賞味期限は、多くが1年以上ですので、たとえ加熱乾燥したとしても、単純に1年以上もの間、品質が維持できるのかという疑問がわいてきます。

2 - 脂質、つまり油は、肉や穀類、野菜にも微量含まれていますが、ペットフードには植物性や動物性の油が栄養源として、さらに加えられています。

油は、種類によって含まれている成分が違い、酸化しやすいものと酸化しにくいものに分けられます。

酸化しやすい油は、酸化を遅らせるために酸化防止剤を加えたり、冷蔵庫に入れて低温管理を行わなければいけません。

それは、酸化した油はすでに、健康被害をもたらすものに変化してしまっているからなのです。

つまり、タンパク質同様、脂質も添加物(特に油の場合は、酸化防止剤)が欠かせない栄養素ということになるのです。

3 - 炭水化物も、原料となるものは野菜や穀物なので、安全に1年以上保存することが可能でなければ販売はできません。

4 - 微量栄養素については、ほとんどビタミンやミネラルサプリメントが使用されていますので、それ自体が栄養強化剤という添加物扱いになるのです。



ただし、添加物を排除したペットフードがあれば、それで安全と言い切れるかというと、そうでもありません。

次回は、「まだまだある、ペットフードの原材料に関わる添加物」をご案内いたします。



著者:イノヨシ


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