日本犬の魅力とは?それぞれの特徴やお迎えするときの心構え

2匹の日本犬

素朴かつ凛とした佇まいがいま世界中の愛犬家を虜にしている”日本犬”。実は全部で6種類しか存在していないことをご存知でしょうか?

とくに人気の高い”柴犬”や”秋田犬”も含めて、日本犬は古くから日本に引き継がれている貴重な存在として国の天然記念物にも指定されているんです。

今回は、そんな日本犬の魅力を大解剖!初心者向きではないとされる性格の特徴や、お迎えする際の心構えもあわせてご紹介していきます。

目次
■伝統を受け継ぐ日本犬たち
《柴犬》
《紀州犬》
《四国犬》
《甲斐犬》
《北海道犬》
《秋田犬》
■日本犬の性格、お迎えするときの心得は?



伝統を受け継ぐ日本犬たち

後ろを向いた日本犬

公益財団法人日本犬保存会が制定した日本犬の純血種は下記の6種類。

かつては北陸地方原産の「越の犬(こしのいぬ)」も日本犬に数えられていましたが、残念ながら1971年に絶滅してしまいました。


《柴犬》

柴犬

日本を代表するワンちゃんとしてもっとも親しまれているのが柴犬ではないでしょうか。

6種中4種が中型犬で構成される日本犬のなかで唯一の小型犬であり、人気ランキングでも毎年上位に挙げられるほどファンの多い犬種です。

かわいらしい見た目に反して、実は犬の中でもっともDNAが狼に近い犬種といわれているから驚きですよね。とくに体のサイズが小さい子は”豆柴”と呼ばれていますが、豆柴は犬種として正式に認められている名称ではなく、サイズの規定などはありません。



《紀州犬》

紀州犬

6種の中で飼育頭数がもっとも少なく、1998年には1450頭であった登録数が2022年には220頭と激減してしまっています。

イノシシ猟にかけては紀州犬にかなう犬種はいないといわれるほど狩猟に長けた犬種ですが、そのぶん警戒心が強く、攻撃的になりやすい側面もあるのです。

白毛の子がほとんどですが、中には黒や茶、トラ柄などのさまざまな毛色の紀州犬が存在しています。

《四国犬》

四国犬

主に高知県が原産であるため、かつては「土佐犬」として登録されていましたが、土佐闘犬との差別化のため、「四国犬」と改称されました。

オオカミに似た風貌で、ニホンオオカミの目撃談のいくつかはこの四国犬だろうといわれています。

スピードとスタミナは目を見張るものがあり、体力自慢の飼い主さんに向いている犬種です。

《甲斐犬》

甲斐犬

甲斐犬の自然体でワイルドな見た目に魅了される愛好家は数多く存在します。

特徴的な虎毛は狩りをする際の保護色になり、忠実な狩猟犬として知られてきました。他人に心を開かず、飼い主さんに一生の忠誠を尽くすことから、「一代一主の犬」と称されています。

《北海道犬》

北海道犬

某通信会社のCMで”お父さん”としてアイコン化し、ここ数年で爆発的に人気を集めている犬種です。かつてはアイヌの猟犬として活躍していたことから、アイヌ犬とも呼ばれていました。

高密度の被毛が特徴で、北海道の厳しい寒さに耐えることができる一方、夏季には熱中症になりやすく特にケアが必要です。

《秋田犬》

秋田犬

日本犬のなかで唯一の大型犬で、忠犬ハチ公のエピソードが有名な犬種です。

現在では日本国内よりもアメリカでの出生数がはるかに多く、”アメリカン・アキタ”として派生しています。

ヘレン・ケラーやフィギュアスケートのザキトワ選手など、著名人に贈呈されていることでも知られていますよね。ずんぐりとした体格に穏やかな眼差しがたまりません。


日本犬の性格、お迎えするときの心得は?

日本犬を迎える

古来より番犬や猟犬として活躍していた日本犬は、洋犬に比べても警戒心が強く、飼い主さんにのみ従順に従う武士のような気質を持っている子が多いことが特徴です。

ドッグランで楽しそうに走り回ったり、見知らぬ人や他のワンちゃんとフレンドリーに交流したりする姿をイメージしていると、そのギャップに戸惑うことでしょう。必要な運動量も多く、お散歩の時間もたっぷりと取る必要があります。

子どもと犬

日本犬は世界の犬種のなかでも特にしつけが難しく、初心者には向かないともいわれています。なかには見た目のかわいさで衝動的にお迎えした結果、扱いきれずに飼育放棄してしまうケースもあるのです。

とくに乳幼児がいる場合などは飼育を控え、必要に応じて仔犬のころからドッグスクールなどでしっかりとしつけることをおすすめします。

とはいえ、最近ではペットとしての需要の高まりから、よく人に慣れ穏やかな気質を持つ子も増えてきています。犬種の違いによって説明できる性格の影響は全体の9%程度に過ぎないという説も発表されているのです。

お迎えした子がどんな性格であっても、最後まで愛情と責任をもってしっかりと育てることが大切だといえるでしょう。

古くは縄文自体から私たち日本人に寄り添ってきたとされる日本犬。これからも大切に守り継いでいきたい存在ですね。
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