なんでもいいから食べて欲しい!老犬が食べやすい食事とは



私が勤務する動物病院には、皮下点滴の通院治療を受けるハイシニア犬が毎日たくさん来院します。高齢だからこそ増える悩みの中で、特に多いのが「食べてくれない」というお声。患者様同士で「うちはこれを食べたよ」と情報を共有される姿もよくお見かけします。

病気になると食事に制限がかかることも多いですが、正直、療法食を美味しそうに食べてくれるシニア犬は少ないのが現実です。それでも【食】は生きるために大切なこと。少しでも楽しく、美味しく食事の時間を過ごしてほしいですよね。

今回は「とにかく何でもいいから食べてほしい」というワンちゃんたちの食事について、私の経験を交えてお話しします。

ただし、理想的な食事内容からは少し離れるものも含まれます。獣医師によっては推奨されない場合もありますので、あくまで参考としてご覧ください。



目次
■どうして食べなくなるの?
■ひと手間プラス、食事のアレンジ方法
■動物看護師経験談、食べてくれるものリスト
■危険食材や塩分には要注意


どうして食べなくなるの?



もともと食欲旺盛だったワンちゃんでも、年齢を重ねるうちに食べる量が減ったり、食べなくなったりすることは珍しくありません。もともと食が細い子ならなおさらです。これには次のような理由があります。

・食の好みが変わった
・歯や顎が衰えて食べにくい
・嗅覚が低下して食欲がわかない
・消費カロリーの低下により必要なカロリーが減った
・体調不良

腎臓や心臓などの内臓に病気が出ると代謝や循環が悪くなり、食欲が落ちることも。また、ドライフードを食べていた子がウェットフードを好むようになるケースや、一度美味しいものを口にするとそれ以外を食べなくなるケースもあります。

日に日にグルメになり、昨日は食べたのに今日はもう食べない…と悩む飼い主さんの姿もよく見られます。




ひと手間プラス、食事のアレンジ方法



食が落ちてきたらまずは普段の食事を見直してみてください。

今食べているドライフードは、粒が大きく食べにくいのかもしれません。小粒タイプのものや半生タイプを活用してみましょう。ドライフードを軽く炒めると香りが立ち、食感が変わるので喜んで食べてくれる子もいます。

また、酸化したフードは口をつけてくれないので大袋ではなく小分けになっているものを選びましょう。ただドライフードは、次第に食べなくなる子がほとんどです。ウェットタイプの方が喜んで食べてくれるようであれば。完全に切り替えてしまってもいいでしょう。



またお肉やお魚、旬のお野菜をトッピングするのも一つの手。お肉を湯がいた時はゆで汁を製氷機に入れて冷凍しておき、食事の際に解凍してかけてあげると香りも喉越しも良くなるので、食欲を誘ってくれるかもしれません。



動物看護師経験談、食べてくれるものリスト



これは「本当に何も食べなくなってしまった子が、これなら食べてくれた!」と飼い主さんから実際にお聞きした食品です。もちろん人間用の食品は塩分や糖分、乳成分が多すぎる場合がありますが、絶食が続いてしまうくらいなら「まずは食べさせて」というのが私の勤務先の方針です。

ただし、食べたものが持病や体調に影響することもあるため、与える前に必ずかかりつけの獣医師に相談してください。

■実際に食べてくれた食品
・焼き芋
・あんぱん
・伊達巻
・少し味付けしたお肉
・バウムクーヘン
・人間用の市販離乳食(果物ペーストなど)

この他、犬用ジャーキーなどおやつが主食になっている子もいます。飼い主さんと一緒に食事をとったり、いつもと違う場所で食べさせたり、外で食べさせるなど環境を変えると食べてくれることもありますよ。





危険食材やアレルギーには要注意



食べてくれるものを見つけることも大切ですが、その中に危険な食材や成分が含まれていないか、必ず確認しましょう。過去には「総菜パンや牛丼の具を与えたあと、玉ねぎが入っていたことに気づいた」というケースもありました。アレルギーのある子の場合は、反応する食材が含まれていないかも注意が必要です。

大切な愛犬のために必死になる気持ちは当然ですが、体調を崩してしまっては元も子もありません。少しでも楽しく食事の時間を過ごせるよう、しっかり悩んで、できる限り安全でおいしい方法を見つけてあげましょう。

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