ワンちゃんの糖尿病の原因はなに?症状や治療の方法とは

犬の糖尿病

皆さんは【糖尿病】と聞くとどのようなものをイメージしますか?

名前は聞いたことがあっても具体的にどのような病気で、どういった治療が必要なのかはわからない方も多いのではないでしょうか。

人間の病気と思われがちな糖尿病ですが、実は罹患するワンちゃんも多くいます。そして治療には飼い主さんの協力が必須となるでしょう。

そこで今回はワンちゃんの糖尿病についてご紹介していきます。

目次
■犬の糖尿病とは
■好発犬種
■糖尿病の代表的な症状
■糖尿病の治療方法や予後
■愛犬が糖尿病になったら


犬の糖尿病とは

犬の糖尿病とは

糖尿病とは体内でインスリンという物質が作れない、もしくはうまく使えないために血糖値が安定せず、高血糖状態が続く病気です。

ワンちゃんの糖尿病は大きく分けて以下の2つ。
1.インスリン欠乏性糖尿病
膵臓でインスリンが十分量作られず、インスリン注射が必須となる【一型糖尿病】。先天的に病気を持っている子や膵炎、免疫異常が原因で発症することが多いです。なかには原因が不明というケースも。

2.インスリン抵抗性糖尿病
インスリンは分泌されているが体が反応せずうまく使えない【二型糖尿病】。

妊娠や発情時のホルモン変動、クッシングなどのホルモン疾患、そしてステロイドの長期服用が原因で発症する子が多く、原因を除去すると血糖値が安定するパターンもあります。そのためインスリンの使用はケースバイケースとなるでしょう。

なおワンちゃんの糖尿病は、インスリン欠乏性が多くを占めています。


好発犬種

糖尿病の好発犬種

糖尿病はどのようなワンちゃんでも発症する可能性があります。しかし、そのなかでも
・ミニチュアシュナウザー
・トイプードル
・ダックスフンド
などが罹りやすい好発犬種です。

実際に私が今までに出会った糖尿病のワンちゃん達も、圧倒的にシュナウザーとプードルが多数を占めていました。

更に発症しやすい年齢は7歳以降のシニア世代のワンちゃん達。そして男の子より女の子、更に女の子の中でも未避妊のワンちゃん達の発症リスクが最も高くなっています。


糖尿病の代表的な症状

犬の糖尿病の症状

・多飲多尿
・食べているのに痩せていく
この2つが糖尿病の代表的な症状です。

なかには無症状、もしくは症状が軽く、春の健康診断などの定期検査で初めて病気に気が付いた!という方も。

なお糖尿病が進行すると血液中に有害物質「ケトン」が出始め、一刻を争う「ケトアシドーシス」という状態になってしまうことがあります。こうなると嘔吐や下痢、元気低下といった深刻な症状が見られるようになるため要注意です。


糖尿病の治療方法や予後

犬の糖尿病 治療方法

・インスリン治療
不足しているインスリンを注射で補う治療方法です。

打つ量や回数はワンちゃんの血糖値を細かくチェックし、獣医師が都度調整していきます。自宅での血糖測定やインスリン注射が必要なため飼い主さんの協力が必要不可欠といえるでしょう。

・食事療法
糖尿病専用の療法食を使って血糖値が急激に上がるのを防ぎ、血糖値コントロールを行う方法です。人間では糖質制限が代表的ですが、ワンちゃんは必要な栄養素の緻密な計算が必要になるため、独断で手作り食に切り替えるなどはやめておきましょう。

・生活習慣改善
食事はもちろん、おやつや運動も含め生活全体を見直し、改善していく方法です。家族みんなで情報を共有しておくことがポイントとなります。

犬の糖尿病

・避妊手術
女の子のワンちゃんはホルモンが血糖値に大きく影響するため、避妊手術が治療として有効なケースがあります。

・入院治療
ケトアシドーシス状態まで進行している時は命に関わる緊急事態です。

即日で入院して数時間おきの血糖値測定、点滴、食事療法、全てを並行した治療が施されるでしょう。

上記のような治療を行いつつ、血糖値が安定してくれば病気と付き合いながら穏やかな余生を過ごすことも可能です。実際に糖尿病でありながらハイシニアで元気に暮らすワンちゃんはたくさんいます。

ただし、治療は必須。早期発見、早期治療がポイントで治療開始後も変動する血糖値に適宜対応していく必要があるので定期診察は欠かせません。



愛犬が糖尿病になったら

愛犬が糖尿病に

ワンちゃんの糖尿病は、飼い主さんがどれほど治療に参戦できるかが重要です。

インスリン注射や血糖値の測定に抵抗を感じたり不安に思う方が多いかと思いますが、どのような方でも必ずできるようになるので安心してくださいね。まずは動物病院でスタッフと練習を重ねてから自宅での治療が開始になるでしょう。

この病気は血糖値の変動をしっかり把握しておくと、動物病院との連携が取りやすく治療がスムーズに進められるので、愛犬専用ノートを作り血糖値やインスリン量、食事量や運動時間を記録しておくと安心です。

上手にコントロールできるようになるまで少し時間がかかることもありますが、愛犬の様子を見ながら治療を進めていきましょう。

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