食が進まない老猫ちゃんに少しでも食べてもらいたい!そのためにできることとは?



この近年、猫ちゃん達の長寿化はとても顕著です。

平均寿命は16歳と言われ人間齢に換算するとおよそ80歳に匹敵します。動物病院に勤務して15年以上たちますが、働き始めた頃に比べ20歳超えの猫ちゃんをお見かけする機会が増えたなと、私自身長寿化を肌で感じる日々です。

ですが年齢を重ねていくほど飼い主さんが抱えるお悩みも増えていくもの。特に食事に関して苦労される方は多いですよね。

猫ちゃん達は食べない状態が数日続くとあっという間に命の危機に瀕してしまいます。少しでも何か食べて欲しい、そんな時に飼い主さんができることを今回はご紹介していきましょう。

目次
■老猫が食べなくなる理由とは?
■いつもの食事を見直してみよう
■病院での治療、相談も必要です




老猫が食べなくなる理由とは?



まずは愛猫がなぜ食べないのかを考えてみましょう。

昔は食が強かったという子も、ハイシニア期に入った途端別人のように食べなくなることも珍しくありません。それには以下のような理由が考えられます。

・持病が出てきた
・嗅覚が落ちている
・消費カロリーが減っている
・歯肉炎や口内炎が痛む
・食事が好みではない

15歳以上の猫ちゃんたちの約8割が腎不全になるという統計も出ているほど、腎不全はハイシニア期の猫ちゃんにとって切っても切り離せない病気です。腎臓が悪くなると体の毒素を排出できなくなり、気持ち悪さを感じるため食事をとりたがらなくなってしまうのです。

また歯周病や口内炎もよく見られる病気の1つ。口の痛みから固形物を食べる事を嫌がるようになり、ウェットやスープタイプの食事を好むようになっていきます。

その他にも人間同様、消費カロリーが減り以前のような量を欲しがらなくなる子や嗅覚が落ち食欲をそそられないという子もいるでしょう。



いつもの食事を見直してみよう



食いつきが悪くなってきたと感じたら、食事の見直しがファーストステップ!

ドライフードであれば粒の大きさや味が好みではないのかもしれませんね。小粒のもの、形状が違うもの、香りがいいもの、原料が違うものなどを取り入れてみてください。

お出汁のパックをドライフードの袋に一緒に入れて保管しておくと香りがうつり食欲をそそってくれることもあります。療法食であっても同じ成分配合で他メーカーが出しているフードも試してみましょう。ウェットや半生タイプの療法食もありますので、導入を検討してみてくださいね。



お口に痛みがある子は缶詰やパウチ、スープ、パテ状のフードをあげてみましょう。少し温めてあげると香りが立ち、食いつきがよくなる子もいますよ。

ハイシニアの猫ちゃん達はグルメで、そして気まぐれでもあるので、まとめ買いはおすすめできません。朝食べたものを夜にはもう食べたがらない、なんてことも....。

ドライは小袋タイプを、ウェット系も数個ずつ購入してくださいね。



獣医師のOKが出れば、トッピングをしてあげるのも1つ。猫といえば魚のイメージがあるかもしれませんが、案外お肉が好きな子も多いのです。湯がいたお肉を少量乗せてあげるだけで立派なアレンジですよ♪

また、食事内容ではありませんが、食べる環境が変わると不思議と食べてくれる子がいます。フードを置く場所やあげる人を変えてみてもいいでしょう。



病院での治療、相談も必要です



猫ちゃんは絶食状態が続くと肝リピドーシスと呼ばれる、命に関わる症状を発症してしまいます。24時間以上食べられていないという時は、動物病院へ行きましょう。

場合によっては点滴や皮下補液で循環を促し、気持ち悪さをとってあげながら本人の食欲があがるまでサポートしてあげなくてはいけません。お口の痛みも治療を受ければ緩和してあげられます。

内臓器に疾患がある猫ちゃんは体の状態に合わせた療法食が勧められます。もちろんそれが食べられるに越したことはありません。しかし、食べなくなったときは強制給餌という、専用シリンジでお口にご飯を運び、少しずつ飲み込んでもらうという方法もあります。



なかには、愛猫には『もう好きなものを食べさせてあげたい』と考える方もいらっしゃいますよね。

あくまで私の勤務する病院は、ですが一通りの治療を行いあとは対症療法で様子を見ていくのみ、飼い主さんがこれ以上の治療を希望しないというときは、よほど塩分が高いものや中毒を起こす食材でなければあげてもいいですよとお伝えしています。

猫ちゃん達の寿命はどうしたって人間より短いのです。療法食を食べる事で一緒にいられる時間をのばすことができるかもしれません。それに対し、好きなものを食べさせることで一緒に過ごす時間は短くなってしまうけれど食を楽しむことができるかもしれません。

ここに正解はないと個人的には考えています。

飼い主さんの想い、愛猫の個性、年齢や体調...そのすべてを大切にしながら、かかりつけの獣医師とじっくり相談して、愛猫にとって最適な選択を見つけてくださいね。

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