女の子のワンちゃんと暮らしていく上で気にかけてあげたいのが生理のとき。別名発情出血、ヒートとも呼ばれ少量の出血が定期的に見られる現象です。
人間では月経前症候群や重い生理痛に悩まれる方も多いと思いますがワンちゃん達はどうなのでしょうか?
今回は犬の生理の仕組みや注意しておいたいポイントをご紹介していきます。
犬の生理の仕組み
人間の生理は子宮内膜が剥がれ落ち、出血とともに体外へ排出されますがワンちゃん達は子宮内膜が充血することで出血が起こります。
性成熟が完了する生後半年前後から始まり、一定の周期で繰り返されていくのですがシニア期以降は周期の間隔がのびていったり出血が少なくなることも。
ただし人間のように閉経することはありません。
周期は大きく4つの期間に分類され、それぞれ以下のような症状が見られます。
●発情前(7日ほど)
陰部が少しずつ大きくなり、出血が見られ始め、発情の準備に入ります。ホルモン分泌が進むため男の子を引き寄せますが、まだ受け入れようとはしません。
●発情中(7日ほど)
発情が始まると男の子を受け入れるようになります。後半には出血が段々と少なくなり、陰部の大きさも戻っていくでしょう。
●発情休止期(2か月ほど)
発情が終わると妊娠成立に関わらず、妊娠を維持するためのプロゲステロンというホルモンが分泌されます。このホルモンによって妊娠していなくても乳汁が出たり巣作り行動を見せるなど、偽妊娠症状が出る子も。
●無発情期(次の発情まで)
発情休止後、ホルモン分泌が落ち着くと子宮や卵巣の働きが止まり次の発情までのお休み期間に突入。この期間が一番長く、どれほど続くかはワンちゃんによって異なります。
平均周期や継続日数は?
一般的にワンちゃんの生理は7ヵ月~12ヵ月周期で繰り返されます。体格や体質、年齢によってかなりばらつきがあるので愛犬の生理がきたら忘れないようにメモをしておくと大体の周期を把握することができるでしょう。
発情前から発情休止期までは平均2週間。その中で出血が見られるのは数日から1週間ほどとなります。中には出血量が少なく、飼い主さんが生理に気が付かないようなケースも。
痛みやだるさはある?
人間とは違い、出血が起こっても子宮収取はしないため痛みはありません。ですがホルモン変動が激しく、だるさや不快さを感じる子は多くいます。
食欲がなくなる、動きたがらない、嘔吐や下痢が見られる、中には警戒心が増し攻撃的になる場合も。
一時的な事がほとんどなので大きな心配はありませんが、症状がひどい時や数日に渡り続いてしまうようであれば動物病院を受診しましょう。
生理中の注意点
生理中は心身ともにデリケートな時期。いつも以上に気にかけてあげてください。
出血量が多い時はオムツを着用します。陰部は自分で綺麗にできるので拭いてあげたり洗ってあげる必要はありませんが、血液や分泌物が被毛に付着し固まってしまっている時は、少しお手伝いしてあげるといいでしょう。
注意したいのが外出先でのトラブルです。ホルモンでオスを引き付けてしまうこと、警戒心が強まる時期でもあり、望まぬ交配や犬同士での喧嘩につながることも。
生理シーズン中は、お散歩時間や場所はあまりワンちゃんがいないタイミングに合わせ、ドッグランやドッグカフェへのお出かけはお休みしたほうが安心です。
シニア期以降は定期チェックを欠かさずに
シニア期以降は子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症の発症率がグッと上昇します。特に生理のあとは発症しやすいタイミングとなるため要注意なのです。
ダラダラ出血が続く、黄色い分泌物が出る、飲水量やおしっこの量が増えていると感じたときは迷わず受診してください。
また日頃から定期的に子宮のエコーを見てもらうと安心です。飼い主さんがしっかりと様子を見て、愛犬が快適に過ごせるようサポートしてあげてくださいね。