愛猫が糖尿病になったらどうすればいい?自宅での治療方法や、かかる費用とは

愛猫の病気

人間の病気と思われがちな糖尿病ですが、実は猫ちゃんが発症してしまうことも珍しくありません。でも病名を耳にしたことはあっても、どういうメカニズムでどういった症状が出る病気なのかはイマイチわかりませんよね。

もし猫ちゃんが糖尿病になってしまっても早期発見、早期治療ができれば病気と付き合いながら穏やかに過ごしていくことができます。反対に気が付くことができなければ命に関わることも…。

そこで今回は糖尿病のサインや治療についてご紹介していきます。


目次
■猫の糖尿病とは?
■糖尿病になるとどんな症状が出る?
■治療の方法、治すことはできる?
■糖尿病治療にかかる費用
■飼い主さんと病院の連携が重要です

猫の糖尿病とは?

猫の糖尿病

糖尿病とは体内で血糖値のコントロールがうまくできず、血糖値が高い状態が続く病気です。ではそのメカニズムを詳しくご説明していきましょう。

健康な体の場合、膵臓から分泌されるインスリンによって血液中のブドウ糖は細胞に取り込まれ体を動かすエネルギーとして消費されていきます。

ところが何らかの理由でインスリンが分泌されない、もしくはきちんと働かないと血液中にブドウ糖がどんどん溜まり血糖値が高い糖尿病の状態となります。

糖尿病には大きく分けて二つの種類があり
① 膵臓でインスリンが作られず、インスリン注射が必須となる【一型糖尿病】
② インスリンは分泌されているが働きが弱く血糖値コントロールができなくなる【二型糖尿病】

猫ちゃんは二型糖尿病であることがほとんどです。


糖尿病になるとどんな症状が出る?

猫の糖尿病 症状


猫ちゃんは糖尿病になると以下のような症状が見られるようになります。

■多飲多尿

猫の多飲多尿


血液中のブドウ糖を尿で排出しようとするために見られる症状です。尿検査をすると尿糖が確認できます。

■削痩

猫の削痩


体はたくさん栄養を取り込もうと食欲を増幅させますが、細胞はブドウ糖を取り込めないので食べているのに痩せていくという症状が見られます。

毛艶が悪くなる

猫の毛艶が悪くなる


栄養がいきわたらない状態がある程度続くと毛艶は失われ、パサパサとした状態に変化していきます。

■ケトアシドーシス(ケトンが過剰分泌され緊急を要する状態)

猫のケトアシドーシス

糖尿病が進行すると体はブドウ糖の代わりに脂肪を分解してエネルギー作り出そうとします。その際【ケトン】という物質が発生し、これが増えすぎると様々な異常をきたし、命に関わる緊急性の高い状態へと変化、食欲や元気がなくなり目に見えてぐったりとしてくるでしょう。

治療の方法、治すことはできる?

猫の糖尿病 治療


猫ちゃんの糖尿病治療は生活習慣の改善、食事の変更、インスリン注射で進めていきます。インスリンは原則1日2回、ご自宅で飼い主さんが打つことになります。

注射を打つ時間や、インスリンの量は猫ちゃんの血糖値の変動、飼い主さんのライフスタイルによって異なります。血糖値コントロールが安定してくるまでは頻繁に通院し、血糖値を見ながら獣医師の指示に従って治療を進めていく形が理想的です。

猫の糖尿病の治療

実は猫ちゃんの糖尿病は治る可能性もゼロではありません。とはいっても、初期治療は必要ですし治るかどうかの予測はできません。体質も関係してくるようです。

実際糖尿病治療を長く続けてきた猫ちゃんが、どうも血糖値のコントロールがうまくいかなくなったと思っていたら寛解(一時的、もしくは継続的な回復)していた、という症例を見かけたことがあります。

一度寛解しても再発する可能性もありますので、定期検診は欠かさず受けてくださいね。


糖尿病治療にかかる費用

猫の糖尿病 治療費

糖尿病治療にかかる費用はその治療内容によって大きく変わってきます。

初期は血糖値を細かく見る必要があるため【血糖曲線】といって数時間おきに血糖値を測り、現状どのような推移で動いているかを確認する検査入院が必要になる事も。

自宅治療に切り替わったあとも定期的な受診に加え、自宅で使用するインスリン薬剤や注射器を購入しなくてはいけません。

私が勤務していた動物病院での参考費用は以下になります。

初期の検査入院:3~5万円
その後の治療費:1ヵあたりで約2万円
定期検査:1~2万円
ケトアシドーシス時の入院:5~10万円

こればかりは猫ちゃん本人の状態によって使用する薬剤も検査の頻度も異なるため一概には言えません。

治療費は見積もりを出してもらえますので、スタッフに聞いてみてくださいね。


飼い主さんと病院の連携が重要です

飼い主と病院の連携


糖尿病治療のポイントは飼い主さんと病院がしっかり連携を取ることです。

生活習慣、食事の状況、インスリンを何時にどれくらい打ち、今の状態はどうなのか、逐一話し合いながらインスリン量や治療方針を決めていきます。

安定したからと言って油断するとコントロールがうまくいかなくなることもあります。

些細な事でも気になることは共有し、飼い主さんと病院のチーム医療で回復を目指していきましょう!

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