迷子のペットが保護された後は、どうなるの?保健所と愛護センターの違いとは

迷子犬の行方

おうちがわからなくなってしまったペット達。年間を通して保護施設に収容される犬や猫たちの数は直近の記録でも5万頭以上。

保護されれば安心、というわけではありません。この数字の中には殺処分になってしまう動物たちも含まれているのです。

では迷子になり、保護されたあとペット達はどうなっていくのでしょうか。殺処分になる基準とは…?迷子になったときは初動がとても大切です。

今回はいざという時の動き方を含め、動物たちの保護事情についてご説明していきたいと思います。


目次
■迷子が保護されるとどうなる?
■保健所と愛護センターの違い
■日本の殺処分数推移
■もしも迷子にさせてしまったときは


迷子が保護されるとどうなる?

ペットが迷子になったとき

迷子になった動物が保護される場所は警察、保健所、愛護センターのいずれかです。地域や保護された状況にもよるので一概には言えませんが、それぞれに定められた期間を過ぎると移送や処分といった流れをたどります。

残念ながらペット達は物の扱いになり、迷子はいわゆる【落とし物】として処理されてしまいます....いかに早く飼い主さんが見つけられるかが重要です!

このような公的機関では7~10日ほどの【命の期限】が設けられていて、その間に飼い主さんが見つかる、あるいは里親さんが現れるということがなければ殺処分の対象となります。

なかにはそういった状況を避けるため、保護した方がそのまま自宅で面倒を見ることや、民間の動物レスキュー団体が介入しシェルターなどで期限を設けず保護するケースも。

保健所と愛護センターの違い

ペットの保護

混同されがちですが【保健所】と【動物愛護センター】は異なる施設です。

以下に違いをまとめてみました。

■保健所
各地域の衛生管理を担うのが保健所です。

動物の適正飼育の方法やマイクロチップ装着などの啓蒙を行う動物愛護業務の他に、感染症や大気汚染など人々の生活に関わる様々な業務が行われています。

一昔前は飼えなくなった動物が連れて行かれてしまう場所というイメージがあったかもしれませんが、現在は動物の収容は行わない保健所も多く、そういった業務は全て愛護センターに一任し、分業化を図る地域も増えているようです。

■動物愛護センター
動物愛護の啓蒙、セミナーの実施を始めペットに関わる全ての業務が集約された場所が愛護センターです。

飼育放棄された動物や迷子の動物達が最終的に収容される場所でもあり、獣医師の判断のもと殺処分が行われる場所でもあります。

近年では多くの愛護センターが殺処分ゼロを目指し、さまざまな取り組みを行っており、実際に東京都では2018年に殺処分ゼロを実現しました。
※ただし、病気や噛み癖で飼育困難とされた動物たちは除く。

日本の殺処分数推移

日本 ペットの殺処分
引用:環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室

動物愛護の意識は確実に高まりを見せ、殺処分数も年々減少傾向にあります。

ただそれでも令和4年4月から令和5年3月までに殺処分になったペットの総数は1万頭以上もおり、更にその中の6千頭近くがまだ幼齢の動物達でした。

この数字はまだまだ小さくしていくことが可能なはず!いつかはゼロになるよう、取り組んでいかなければいけない課題でもありますね。

もしも迷子にさせてしまったときは

もしもペットが迷子になったら

もし大切なペットが迷子になってしまったら、慌てずにまずは各所への電話連絡を行います。保護されたにも関わらず、飼い主さんと繋がらず悲しい結末を迎える事だけは絶対に避けなくてはいけません。

警察、保健所、愛護センター、ペットの移動範囲は想像以上に広いので居住地区だけでなく隣接している地区も連絡してください。保護した時にケガをしていたら保護主さんが動物病院へ連れて行くかもしれません。近隣の動物病院にも連絡をいれておくと安心です。

こういったときに心強い存在となるのが鑑札、名札、そしてマイクロチップの装着。ぜひ万が一への備えとして身につけてあげてくださいね。

そして1番は迷子にさせないこと。リードやハーネスは定期的に点検を行い自宅の玄関や窓、網戸は逃げてしまわないよう対策を忘れずに。

動物と暮らす以上、悲しい思いをする動物が一頭でも減るように1人1人が意識し、努力を重ねていきましょう。

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