命に関わる電池の誤食。もしもペットが食べてしまったら?

電池の誤食

日常生活を送る上で必須といっても過言ではない電池の存在。

今周りを見渡してみて、電池で動いているものはいくつありましたか?置いてある場所は安全な場所でしょうか?

電池は誤食すると非常に危険なものです。命に関わる事も多く、万が一のときは速やかな受診と適切な処置が必要となります。

ではなぜ電池は危険なのでしょうか?

今回はその理由や、誤食時に出る症状などを合わせてご紹介していきます。

目次
■乾電池はなぜ危険?
■乾電池誤食時に出る症状
■誤食してしまったらどうすればいい?
■診断や治療の方法
■食べさせない工夫を忘れずに

乾電池はなぜ危険?

ペット 電池 危険

電池には、アルカリ電池やマンガン電池、リチウム電池、ボタン電池など、色々な種類がありますが、基本的にはどのようなものでも誤食は大変危険であると覚えておきましょう。

電池を構成している成分で中毒を起こしてしまったり、体内で電流が流れ組織が壊死してしまうことも。

例えば一般家庭での使用頻度が高いアルカリ電池は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを含んでいてタンパク質を溶かす作用があるため、誤食するとあっという間に体内の組織に炎症や潰瘍を作ってしまいます。

胃や腸、食道に穴があいてしまい、命に関わるケースもあるため、誤食時は様子見をせず、気が付いた時点ですぐに受診してくださいね。


乾電池誤食時に出る症状

電池誤食 症状

電池の誤食時に見られる代表的な症状は、以下になります。

・よだれ
・嘔吐
・呼吸困難
・元気低下
・口内火傷
・鳴き叫ぶ

電池に歯を立てて誤食した場合、電池内の液体が口内や口周りの皮膚に触れ、強い痛みや炎症、火傷が起こります。

私が過去にお会いした電池誤食の子は、一切の食事が取れなくなるほど口の中がただれ、ヨダレも止まらず、数週間入院してもらい治療を進めました。

見た目以外にも内臓が大きなダメージを受けるため、痛みで暴れたり鳴いたりと普段とは明らかに違う様子が見られるでしょう。


誤食してしまったらどうすればいい?

電池を誤食してしまった

電池の誤食に気が付いたら、その時点ですぐに動物病院を受診してください。夜間でも、休日でも、例え年末年始でも...です。

何より独断での様子見はとても危険。

例え「食べた確証はない」という状況でも、受診してレントゲン撮影で体内に電池がないかを確認すべきです。

こういった時のためにも、近隣で夜間や休日も診療している救急動物病院を見つけておくと安心ですね。まずは電話で問い合わせ、獣医師の指示を仰ぎます。

受診の際は食べた時間、食べてしまった電池の種類、食べてしまった個数を落ち着いて伝えましょう。


診断や治療の方法

電池誤食 病院受診

まずはレントゲン撮影を行って本当に誤食しているか、体内のどこに電池があるか確認します。更に体内が傷ついていないかエコーを見る事もあるでしょう。血液検査を行い内臓器の損傷具合もチェックします。

以上の検査結果を踏まえたうえで、はじめて治療方針が決まります。

誤食時によく行われる嘔吐を誘発させる手法は、電池誤食の場合にはかえって体内を傷つける可能性があるためあまり推奨されていません。ただしペットの状態、誤食から経過した時間などを考慮して獣医師が判断します。

できるだけ早く体内から電池を取り出すため、緊急で開腹や内視鏡手術になることも。

口周りの炎症がひどい時は食事を取ることが難しいので、入院して点滴で脱水や栄養を補正しながら回復を目指します。

入院は数週間~1か月前後と長引く子が多い印象です。しっかり治療を受け、退院後も定期チェックを受けるようにしてくださいね。



食べさせない工夫を忘れずに

ペットの誤食防止


万が一食べてしまったときは迅速な対応と適切な治療がポイントになりますが、やはり一番大切なのは食べさせない事です。

電池のストックは当然届かない場所にあるとは思いますが、交換した後の電池は置きっぱなしにしないよう注意!電池カバーはテープで補強しておくと安心ですね。

意外と盲点なのがゴミ出しの日!

外に出されていた電池をお散歩中のワンちゃんが食べてしまう可能性もあります。蓋つきの容器やネットをかけて食べられない対策をしておきましょう。

とても便利な電池ですが、万が一ペットの口に入ってしまうと大掛かりなことへとなってしまいます。食べさせない環境作りをしてペットの体を守ってあげてくださいね。

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