保護犬猫を守るための活動

保護猫 ケージ

2019年4月1日から2020年3月31日の1年間で、合計32743匹の保護犬猫が殺処分されました。(環境省 犬・猫の引き取り及び負傷動物等の収納並びに処分の状況 統計資料より)

コロナ禍で続くペットブームに比例して飼育放棄もまた増え、本年度はまた殺処分されるペット達が増加する見込みとなっています。

また、今年6月に施行された動物愛護保護法では、ブリーダーやペットショップらが飼養できる頭数を従事者1人当たりに対して繁殖用犬25頭、猫35頭、販売犬30頭、猫40頭と上限を定め、2024年6月まで3年かけて毎年5頭ずつ減らして制限していくことに決まっています。

悪質なブリーダーやペットショップから動物たちを守るための規制ですが、一方で行き場を無くした犬猫が殺処分の対象となることが懸念されています。



環境省が出した解決策

環境省 アマゾンの提携

環境省は2021年8月30日、Amazonと「つなぐ絆、つなぐ命」プロジェクトの 第1号パートナーシップを締結しました。

全国各地の動物保護施設をAmazon.co.jp のサイト上で紹介し、一般の方々からの支援を募り、各施設の活動に必要な物資の提供をしています。

また、2022年度に自治体などが保護した犬や猫を、セラピードッグ、セラピーキャットとして病院や特別養護老人ホームに提供する事業を実施する方向で検討に入ったとニュースでも報道されました。

そんなセラピードッグ・キャットですが、一体どのような役割があるのでしょうか。


ペットの癒し効果

ペットの癒し効果

現在、全国の様々な医療現場や施設で患者さんや子供たち、高齢者が犬や猫と触れ合うことで癒されストレスを軽減し、様々な症状の改善に役立つアニマルセラピーが取り入れられています。

ペット動物の癒しの効果については、実際に様々な研究において実証されており、人間の年齢に関係なく、精神状態の安定、孤独感の低減、活動意欲の向上など多岐にわたると考えられています。

『ペット動物の癒しの効果に関する健康心理学的研究』によると、過去1年以内に配偶者を亡くした高齢者の場合、ペットを飼育している人の方が顕著に抑うつ状態が示されているのだとか。

また、動物と接することによって、子供の共感性、自尊心、自制心、そして自主性の発達を促す効果も出ています。

実際にペットを飼っていない人にも、触れ合うことに緊張はあったものの、ネガティブな気持ちの回復の効果は見られました。

相手が言葉を話さない存在だからこそ、批判される恐れを感じないままに精神の安定を得ることができるのも理由の1つなのです。

その大切な癒し仕事を担うのがセラピードッグ・キャット達なのです。


保護犬からセラピードッグへ

セラピードッグ

現在、様々なNPO法人やボランティア団体では何らかの理由で保護された犬達に専門的なトレーニング、また各施設で実習を行いセラピードッグとして派遣しています。

療養やリハビリテーションなどに対して積極性や前向きな姿勢の効果がみられるために高齢者施設や病院が主な活動場所となり、また近年では、子供たちに動物とのふれあい方命の大切さを学んでもらうための活動児童施設や学校などの教育の現場でも授業の一環として取り入れるところも増えてきています。

特にコロナ禍で施設や病院では面会時間も制限され、人と人との触れ合いが減少してしまった今、コミュニケーションをはかるためにもセラピードッグの需要が高まりつつあるのです。


保護犬/猫カフェ

保護猫カフェ

最近では、お茶と楽しみながら実際に保護犬・猫達と触れ合い、よく知ってもらいながら里親を探す保護犬・猫カフェが全国に増えてきました。

NPO法人や愛護団体と連携していたり、個人で運営されていたりと形態は様々ですが、共通してブリーダーで繁殖用に飼われた後捨てられてしまった子、飼育放棄されて保健所に連れていかれた子、ペットショップで売れなくなってしまった子を引き取って里親を探す場所となっています。

保健所や都道府県自治体、地域の情報誌などをたどって里親になる方法もありますが、短い期間で決めないといけないこともあり、飼育開始してから性格の不一致や生活スタイルが合わなかったりすることもあります。

その点、お互いに納得がいくまで触れ合ってみて、家族との相性や将来を見据えて決断できるは嬉しいですね。


伴侶としてのペット

保護犬・猫を殺処分から守るため、その他様々な取り組みもあります。

しかし、理由あっての方もいらっしゃいますが、まだまだ飼育放棄される飼い主さんも後を絶たないのが現状です。

殺処分の対象となっていたかもしれない保護犬が、私たちの心身のケアや、災害地にて救助犬として活動してくれているという現実に、何とも言いきれない気持ちになります。

そのためにもまず、個人個人が生涯を共に寄り添って生きていける伴侶としてペットを迎え入れ、少しでも殺処分の対象となってしまう保護犬・猫を減らすことが大切です。

人とペットが笑顔で過ごせる社会になるよう切に願っております。





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