サプリメントとは
近年、人だけでなくペットへの健康志向が高まり、できるだけ無添加の手作りフードやオヤツを与える飼い主さんが増えてきました。
その中でペットフード業界は苦戦の一途をたどるのですが、その反面、手作りでは補えなかった栄養を手軽に摂取させることが出来るペット用のサプリメントや健康食品の需要は急増しています。
自宅のワンちゃんや猫ちゃんに健康維持や病気の予防で飲ませるほか、皮膚病、関節炎、白内障や腎臓サポートなど与える理由は様々です。
特にサプリと関連づけるワンちゃんの症状が2つあります。
ホルモン反応性尿失禁
避妊手術や去勢手術をしたワンちゃんは、ホルモン値が減少するために、自分で尿意をコントロールする外尿道括約筋の低下により、睡眠時や無意識な時に尿もれ、いわゆるおねしょをしてしまうことがあります。
治療法の一環として、ホルモン剤の投与がありますが、やはり中には化学製品に抵抗がある方もいらっしゃいます。
そういった方は、漢方やサプリメントでも手助けになるかもしれません。
ただし、サプリメントや健康食品は薬ではなく食事で不足した栄養を補う栄養補助食(食品)ですので、病気が治るわけではありません。
しっかりと摂取目的を明確にした上で、用法容量を守って正しく付き合いましょう。 また、納豆、豆腐には症状が緩和される『エストロゲン』が多く含まれるため、日々の食事に気をつけてあげるのも良いですね。
コロナ禍の思わぬ影響
コロナ禍でストレスや不安を感じる人も多く、単なるペットというより、『伴侶』『家族の一員』としてペットを迎え入れる方が増えました。
今まで以上にペットをよく観察してあげられる飼い主さんも多くなり、ペットの異変にすぐに気づかれる方もまた増えました。
その中で、特に目立って多いのが分離不安症を発症するワンちゃんです。
本来は、社会性があり群になって行動するワンちゃんも、コロナで飼い主と過ごす時間が増えたことで、飼い主の外出時に、『一人きりでお留守番する』という習性との違いから必要以上に不安やストレスを抱え込んでしまうのです。
分離不安症とサプリ
ワンちゃんの分離不安症の改善策として、飼い主さんと共に生活の見直しから行う行動療法や、薬物療法が主な治療方法となります。
薬物療法は、動物病院から処方されるものから、市販でも簡単に手に入る抗ストレス系のサプリやリラックスさせるオイルやスプレータイプまで様々です。
よく分離不安で耳にするCBD(カンナビジオール)も産業用大麻から抽出したオイルから出来ているため、THCという精神作用を引き起こす成分を違法とする日本では入っていないものを選ぶ必要があります。
決して安価に惑わされず、きちんとした品質のCBDオイルを選んで下さい。 また、効能はワンちゃんによって様々ですし、人と同様賛否も分かれます。
分離不安症を疑う場合は、まずは動物病院に相談しましょう。
分離不安症は、不安からくる精神疾患です。ワンちゃんが『自宅は安心して落ちつける場所』と認識できるまで、ゆっくりと時間をかける必要があります。薬物療法は一時的に症状を抑えるだけで根治はしません。
症状が軽い場合や改善の余地がある時は、ワンちゃんへの接し方やしつけを変えることが一般的です。
まずは自宅で短時間のお留守番の練習から一緒にスタートしてみましょう。
サプリメントとの付き合い方
サプリメントは、食事で足りない栄養分を補う『健康補助食品』ですので、栄養がきちんと摂れているペットには必要ないとされています。
しかし、実際に効果を実感できるサプリメントは市場に多くあり、症状の緩和や生活の質の向上も期待されています。
これからペットの高齢化が進むにつれて、どんどん流通もしていくでしょう。 しかし、必要以上の量のサプリメントは症状を悪化させることもありますので、しっかり飼い主さんの目で安全性、有効性を判断してからの使用をお勧めします。
ワンちゃんと飼い主さんにとって上手くサプリメントとお付き合いができればいいですね。
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