相場君が子供のころ、両親がクジャクのつがいを飼っていたという話が以前話題になったそうです。現在は動物園などでしか見かけることが無くなってきた鳥ですが、実は日本にとっては縁の深い鳥で、以前は鳥小屋を建ててペットのように飼育していた家庭も多くありました。
国鳥に選ばれるほどの美しさを持つ鳥たち
▲美しい羽根色が特徴的クジャク
ご存知のように、クジャクは美しい羽根を持つキジ科の鳥の仲間です。キジと言えば日本の国鳥で、長い羽根は無くとも多彩で美しい羽色を持った鳥です。
キジ科の鳥の仲間には美しい羽根を持つ種類が多いため、日本以外にもネパールや台湾などがキジを国鳥としています。
現在日本の動物園などにいるクジャクの多くはインドクジャクなのですが、このクジャクも実はインドの国鳥です。
いろんな孔雀にまつわるモノ
▲宝石のような色彩を持つクジャク石
クジャクが羽を広げた時は実に優雅なものですが、その羽根の独特な模様や美しさは、他の鳥だけでなく、ほかのどのような生き物とくらべても、格別で極上とも言える美しさがあります。
その為、美しいものの例えとして、『クジャク』の名を冠したものがいろいろとあります。
【クジャク石】
エジプトの時代から宝石としても珍重された石で研磨された石の模様はクジャクの羽に似ています。青い色を利用し、クレオパトラのアイシャドウとして、また花火の青色の発色剤としても利用されています。
【クジャクアスター(クジャク草/クジャク菊)】
ひと枝に花が連なって咲くキク科植物です。 小さな花が集まり、あちこちに花がちりばめられたように見えるその様子は、クジャクが羽を広げた姿のように見えることからこの名前がつけられました。
【クジャクサボテン】
羽根の色柄を思わせるような大きな鮮やかな花を葉の先端に咲かせます。夜に咲き、強い香りで開花を知らせるともいわれる月下美人も、このクジャクサボテンの仲間です。
【クジャクバト】
品種改良された観賞用のハトです。尾の羽根の数が通常のハトよりも多く、その形はまさにクジャクの羽根のように広がっています。
【孔雀魚】
様々な体色や尾ひれの模様などを楽しむ、有名な熱帯魚グッピーの中国名です。
【クジャク尾】
こちらも観賞魚に関連する名称です。愛知県の天然記念物の金魚である地金(ジキン)の尾びれが、クジャクが羽を広げた時のように広がっていることから、この名称がつきました。
【クジャクチョウ】
はねの表側にクジャクの飾り羽に見られる目玉模様があります。この模様は鳥などの天敵から身を守るためのものではないかと言われています。
クジャク(ピーコック)革命
▲クジャクで変化した流行のファッション
1967年、アメリカのデイヒター博士が提唱し、繊維メーカーのデュボン社が提案したファッション・プロモーション。
特に男性ファッションについて、1960年代まで流行していたダークスーツに対し、雄のクジャクのように男性ももっと色彩を取り入れようとの考えから始まったのが"クジャク(ピーコック)革命"といわれ、現在の男性ファッションの カラフル化の出発点となりました。
クジャクについて調べていくうちに、世の中には特別なものと認識されている美しさがあるということがわかりました。
人は美しいものに惹かれ、胸をときめかせます。それは、花や昆虫、石などと形をかえても引き継がれていました。きっと今後も、クジャクの名称を冠した新たな何かが生まれてくる予感がします。