人とペットの防災対策を考える(4)《 ペットのために普段から行っておく事 》

予知が出来なくなっている地震 

地震

平成21年にイタリア・ラクイラで発生した地震をきっかけに、国際的に「予知」についての議論が行われました。地震予知に成功した確実な事例がない、また、地震の発生を警告できるほどの確実性の高い前兆現象は見つかっていない事から、地震発生の時期を特定するのは困難だという認識が示されています。

日本も公式に「地震予知はできない」と認めたことになり、警戒宣言も発表できなくなる見通しです。

つまり、明日は我が身に起こるかも知れません。そのためにも、日頃から万が一に備えておくことが大切です。


家族であるペットを守るために、普段から行っておくべき事 

首輪と鑑札・注射済票

●飼主の元に帰れるように飼主情報を明確にし、個体識別をしておく。

万が一、ペットが迷子や離ればなれになって何処かで保護されても、すぐに飼主に連絡が出来るように、首輪に鑑札や注射済票、住所・電話番号を記載した迷子札を付けておきましょう。

マイクロチップの装着も有効です。また、犬の場合は必ず畜犬登録を行っておきましょう。

●普段からマナーを守り、躾をしっかりとする。

災害時は、現場が混乱する上、ペットも異常な事態を察知しおびえたり動揺してしまいます。おとなしいペットも、状況次第では、あばれたりする事も起こるかも知れません。

普段から、犬や人とふれあわせ社会化をきちんと行ない友好的に育て、人の多い場所やケージに慣れさせておく事は、日常だけでなく非常時にも役立ちます。

ケージの中にいる犬

●大切なトイレの躾

お散歩中、外でしか排泄をしない子は、長い時間ケージ等に隔離された場合、排泄を我慢してしまい可哀想な思いをさせてしまいます。トイレシートでも出来るようにしておく事も必要です。

糞尿や抜け毛の始末をしたり、臭い等で近隣に迷惑をかけない配慮もしましょう。

また、無駄吠えをさせない、待て、ハウスが出来るように躾ておく事も大事です。避難所でも受入がしてもらいやすくするために、飼主としての責任を意識し、回りへの充分な配慮をしましょう。

トイレの中の犬

●日々の健康管理も大切

日常から、ペットの健康状態に注意し、ノミ・ダニ・フィラリアなど寄生虫の駆除を行いましょう。

多数のペットが一緒に保護される場合、1頭でも病気を持っていると、あっという間に感染して広がってしまう事もあります。狂犬病予防接種、各種ワクチン接種も必ず行っておきましょう。

また、気になる症状などがある場合は、早めに獣医師の診断を受けて治療をしましょう。

被災時に、避難所生活や仮設住宅など、慣れない環境下で体調を崩してしまうのは人間だけでなく、ペットも同様です。飼い主さんが日頃から、ペットの健康管理をしっかり行っておきましよう。

獣医師に注射をしてもらう犬

●ペットの居場所の確認をする

ペットの居場所が安全かどうか、点検をしておきましょう。

・屋外飼育の場合
地震が起きた際、ブロック壁の側や、ガラス窓の下など、建物が倒壊した際、ペットが被害を受けない場所にペットハウスは設置されていますか?

水害が多い地域の場合、増水してもペットが溺れないような対策が取られていますか?

・屋内飼育の場合
地震対策として、倒れやすい家具の固定は必須です。小型のペットの場合、倒れてきた家具などによる怪我や圧死が起こる可能性があります。

ガラスケースなど特殊な環境で飼育している場合、ケースが落ちて割れたりしないようにケースを固定し、ガラス飛散防止フィルムを貼るなどの対策をしましょう。


次回vol.5につづく


人とペットの防災対策を考える(1)《 ペットを守れるのは飼主だけ 》はこちら
人とペットの防災対策を考える(2)《 人の安全確保のための防災 》はこちら
人とペットの防災対策を考える(3)《 ペットのための備蓄 》はこちら
人とペットの防災対策を考える(5)《 飼主が普段から準備しておく事 》はこちら


by OFTスタッフ「あーちゃん」
ブログに戻る