得意なはずのキャットタワーから猫が落下する理由・猫の体型との関係
▲キャットタワーの上で気持ちよく寝てしまう猫ちゃん。かわいいですね。
猫ちゃんと暮らす上での必須アイテムの一つに、みなさんご存知のキャットタワーがあります。
都会暮らしで室内飼育が急増中の猫ちゃんたちにとっては、運動不足解消にもなり、なおかつ爪とぎや遊び場にもなるのですから、猫にとっての最高のグッズと言っても過言では無いでしょう。
ただ、その得意なはずのキャットタワーから落下する猫ちゃんがたまにいるという情報を得て、今回、体型というちょっと変わった視点から、猫のバランス感覚についての考察をしてみましょう。
体型が様々なタイプの猫(イエネコ)達。本当に猫はバランス感覚に優れているのか?
▲イエネコに比べて大きな足、爪を持つ南米生息の”マーゲイ”
一般的に、『猫=バランス感覚に優れ、高所好き』というのは間違ってはいないでしょう。
しかし、猫(イエネコ)は人によって選択的に作られたものも多いため、その体型もすべて同じではありません。
たとえ本能的に高所が好きでも、不安定なところでちゃんとバランスを保てるのだろうかと、少し疑ってしまうような体の特徴を持った猫もいるわけです。
では、猫の体型について、理想的な体型というものはあるのでしょうか?
樹上生活をする野生猫たちの体は特徴的
そこで、樹上生活をしている野生のネコ科動物の代表としてマーゲイやウンピョウを取り上げてみます。彼らは森で樹上生活するのに適した体を持っています。
共に筋肉質な体と木に上り下りするための強靭な四肢、木にしがみつくためのしっかりした爪と大きな手のひら、樹上でバランスを維持するための大きくて太い尾などを持っているのです。
多様だった猫の体型
一方、猫(イエネコ)に目を移してみましょう。
マンクスや他のボブテイル系の尾の無い種類、マンチカンなどの脚の短い種類、そしてコビータイプと言われるペルシャなどのどっしりとした体形の種類の猫は、明らかにマーゲイなどとは異なる体型をしています。
マンクスやマンチカンはバランスを維持するための体の特徴を一部分欠いていると言えるかもしれませんし、ペルシャなどは、運動やバランス感覚がネコの中でも良い方ではないようにも思えてきます。
つまり体型を比べてみることで、キャットタワーの上り下りなどが得意なタイプとそうでないタイプに分けることができるのかもしれません。
キャットタワーから落ちるもう一つの理由
▲木の上を専門に生きる猫たちに比べるとやっぱり心配な手足…
そもそも樹上生活をする野生の猫たちにとって、子孫を残し、生き抜くためには不安定な木の上での生活を選ぶしかなかったのかもしれません。
つまり木から落下することは、死につながる事態であることを本能的に知っているのではないかという事です。
逆に、避妊/去勢され、天敵も存在しない室内で一生を終える猫たちは、キャットタワーから落下することが死に直結しない事を学んでいます。
人との暮らしが安全であることを理解し、ある意味平和ボケしてしまった猫たちに対し、キャットタワーなど次々とカタチを変えて市場に出てくる猫製品を与えてみても、その安全性を彼らが判定することはできません。
その他に気を配ってあげるべき点
1:年齢
まだ筋肉の発達も十分とはいえず、高い場所への飛び移りなどもほとんど経験したことのない幼猫や、高齢になり、筋力も衰えがちな猫ちゃんたちには、あまり高さがなく、飛び移りやすくてステップの広々としたものを選んであげることで、落下を防いであげましょう。
2:おもちゃなどの興味をそそられるもの
たまにキャットタワーに吊り下げ式のおもちゃなどが付属で設置してあるものもありますが、遊びに集中しすぎてキャットタワーから落下することもあります。
おもちゃは、低い場所で遊ばせるようにしましょう。
3: 遊び相手
幼い猫ちゃんを含む複数の猫ちゃんがキャットタワーの上にいる場合も、じゃれ合いなどから落下することがあります。
4:引っ掛からない爪
日本では禁止されていますが、抜爪している子やソフトクローと呼ばれる爪用キャップをしている子には、爪の引っ掛かりを利用して体を支えられないため、キャットタワーなどの上で素早く移動しようとした際には、失敗してしまうことも考えられます。
5:キャットタワーの材質
キャットタワーに使用されているステップ表面の材質が、しっかり爪に引っかかる素材かどうか、もしくはそうでなくとも滑りにくい素材でできてきるかどうかを確認しておきましょう。
6:タワー周辺
落下した場合に、ケガにつながるのは着地した瞬間です。
着地した先に危険なものがあれば、たとえ身軽な猫でさえケガをすることもありますので、キャットタワー周辺の安全を確認しておきましょう。
筆者:イノヨシ