冬場のお出かけに要注意!クーラント(不凍液)の危険性

冬の季節のペットの散歩の注意点があります。

本格的に寒くなってきたこの季節、寒さや雪以外にもペットが外を歩く際に気を付けるべき大切なことがあります。

知っていますか?道端に潜む危険

パグ散歩
▲寒くてもやっぱりお散歩は欠かせません

冬場、冷却水や暖房ヒーターの内部が凍結してしまうことを防ぐため、車や一部のヒーターの内部にはクーラントと呼ばれる不凍液が装備されています。不凍液には凍結を防ぐエチレングリコールという成分が含まれており、これが万が一ペットの体内に摂取されてしまった場合は非常に危険です。

エチレングリコールは不凍液以外の溶剤等にも使用されますが、不凍液は特に舐めると甘い味がするため、甘味を好む犬は舐めてしまいやすいのです。

濃度が薄かったり、劣化したクーラントが交換されないまま気温が低くなると、凍結し内部で膨張するため部品が破損し、クーラントは外に漏れ出してしまいます。

アイルランドではエチレングリコールによる中毒症状が出て病院に運ばれてくる猫も多く、その原因は外で活動する猫たちが車の下に入ったり、ボンネットに乗ったりするため、車から漏れ出た不凍液が体に付着し、それを舐めて体内に摂取してしまうことです。


命に係わる強い毒性のある不凍液

不凍液車
▲メンテナンスを怠ると道に漏れだすことが…

例えば、不凍液を摂取してしまった猫の生存率はわずか5パーセントと言われています。30分~1時間の間に嗜眠、嘔吐、低体温や発作などが起き、呼吸や心拍数の上昇によって脱水症状になります。

これが重度の腎臓障害を引き起こし、24~48時間後には腎不全の症状が現れ、最終的に死に至ります。

犬にとっても毒性が強く、早期に中毒症状に気づくことができれば解毒できる可能性はありますが、必ず助かるという保証はありません。

濃度にもよりますが、犬も猫もほんのわずかな量のエチレングリコールで命に危険が及ぶため、十分に注意が必要です。特に猫は1ml以下でも致死量となります。


飼い主が気を付ければ防げる誤飲

猫の外出
▲目の届かないところで摂取してしまうかも

エチレングリコールが含まれる不凍液はペットの命を脅かす大変危険な物質ですが、もちろん飼い主が気を付ければ体内への摂取を防ぐことができます。

外飼いの猫の場合はなるべく外に出さないようにしてあげれば、不凍液との接触のリスクが下がります。

犬の場合は散歩の際に必ずリードを着用し、目を離さないように注意しましょう。不凍液は赤や緑などの蛍光色が付いている場合が多いですが、中には無色透明のものもありますので十分な注意が必要です。

そしてもし万が一、不凍液を誤って舐めさせてしまったり、中毒の症状が見られる場合はすぐに獣医に連絡してください。
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