動物病院の看護師になり早くも18年目に突入しようとしています。
辛い時期や悲しい出来事もありましたが、やはり動物や飼い主さんからもらうパワーはすごいもので、今でも楽しい!と思いながら仕事をしています。動物病院の裏側には笑いも涙も、そしてちょっぴり不思議な出来事もあるんです。
今回はそんなお話をいくつかご紹介させていただきますね。
■ペットと飼い主さんは似てくる?
■仮病?病院到着と同時に回復しちゃうわけとは
■ペットは病院の場所を覚えている?
■飼い主さんの「おかしい」は危険サイン?
■飼い主さんとスタッフがなぜか通じ合う時
■動物病院の不思議
ペットと飼い主さんは似てくる?
長く勤めていると、自宅に迎えたばかりの赤ちゃん時代から知っているペット達も多くなってきます。はじめましてからアダルト期、シニア期と成長を見守っていると、不思議なことに飼い主さんとペット達の容姿や性格が似てきたと感じることが多いんです。中には赤ちゃん時代から既に雰囲気が飼い主さんに似ているなんてケースも。
これは無意識に自分に似た子を選んでいるからとも言われています。一つ屋根の下、心を通わせているからこそ性格までも似てくるのかもしれませんね。
仮病?病院到着と同時に回復しちゃうわけとは
動物病院あるあるの1つに、病院に到着するといきなり元気になってしまう...というものがあります。
足を痛そうにしていたり、元気がなかったのにいざ診察室に入ると元気に走り回り、ジャンプまで披露して飼い主さんを唖然とさせる子も少なくありません。
これは仮病なわけでなはく、病院にくると興奮してアドレナリンが出るため一時的に不調を忘れてしまうから。特に人が好きな子に多く見られます。
そんな人懐っこい子の場合は、来院前に不調の状態を動画に収めて持参するといいですよ!
ペットは病院の場所を覚えている?
動物病院の場所を覚えている子は少なくありません。病院が近づくにつれ足取りが重くなり、ついには動かなくなってしまう子のなんと多いことか…!病院の一つ前の曲がり角で断固拒否!と言わんばかりの抵抗を見せ、スタッフがお迎えに行く時もあるほど。
過去には、動物病院の駐車場で一人で縦横無尽に走り回っていて慌てて保護した子や、病院の入り口で大人しく座っていた迷子の子が来院したことも何度かありました。
不思議なことに、いずれも当院の患者さんの子で、すぐに飼い主さんに連絡が取れました。あそこに行けばなんとかなるかも!と思って来たのかもしれないと考えると、感心させられます。
飼い主さんの「おかしい」は危険サイン?
私たち動物医療従事者は、ペットの体調不良を察知する力には自信があります。
しかし、それ以上に大切にしているのは、飼い主さんの【何かおかしい気がする】というひと言です。どこが悪いのかははっきりしなくても、「いつもと違う気がする」と感じてご来院いただくケースでは、実際に何かしらの異常が見つかることが少なくありません。
はっきり説明できなくても、違和感を覚えたときは、どうぞ遠慮なくご来院くださいね。
飼い主さんとスタッフがなぜか通じ合う時
通院してくださっているご家族の中には、年に1度の予防接種でしかお会いしない方や、引越しをされて長くいらしていない方もいらっしゃいます。そんなご家族やペットの話題がスタッフの間でふと出るときがあります。
「体調どうかな?」『元気にしているかな?』「しばらくお会いしていないね!」そんな他愛もない会話の直後に、飼い主さんからご連絡をいただいて驚くことがしばしばあります!
海外にお引越しされた方が話題になった翌日に帰国され、ご挨拶に来てくださったときにはスタッフ一同仰天しました…!通じ合っているいうと、少し大げさかもしれませんが、あまりに頻繁に起こるので、わたしたちの中ではちょっとした“不思議現象”になっています。
動物病院の不思議
いかがでしたか?
命を扱う場所だからでしょうか、夜勤をしていた頃には説明のつかないような出来事も少なくありませんでした。それでも不思議と恐怖心はなく、「亡くなったあの子が飼い主さんに会いに来たついでに、ちょっと遊びに寄ってくれたのかな」なんて考えていたものです。
これからも、飼い主さんと動物たちからたくさんのパワーをいただきながら、穏やかな毎日を送れるようお手伝いしていきたいと思います。