義務化するのは生体販売を行うペットショップやブリーダーさんに限定され、既に飼育している方はできるだけ装着といった努力義務となりますが、中には異物を体に入れるようで怖い、と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事ではマイクロチップの必要性やメリット、デメリットをまとめてご紹介していきます。
マイクロチップとは
▲インジェクター(マイクロチップ挿入機)
マイクロチップとはその名の通りとても小さい電子標識チップです。
大きさは直径2mm、長さは10mm前後で、その中には世界に一つだけの15桁の識別番号が入っています。この番号と飼い主さんの情報を紐付けることで、体の中に絶対紛失する事のない迷子札が入ったことになります。
専用の読み込み機をペットの体にかざすことで識別番号を表示させることができ、その番号をインターネットや獣医師会で照会することで、飼い主さんの情報も確認することができます。
読み込み機は動物病院や保健所、保護センターなどに置かれており、迷子の猫ちゃんやわんちゃんが保護された場合はまずマイクロチップの有無が確認され、飼い主さんへ連絡がいくという流れになります。
装着方法
マイクロチップの装着は動物病院で行うことができます。在庫がない場合もありますので一度電話で確認してから向かいましょう。
注射器より少し太いインジェクターという器具で体内に挿入します。痛そうに見えますが皮下に打ちますので、通常の注射と痛みはほとんど変わらないと言われています。
実際挿入に立ち会う機会も多いのですが、ほとんどの子は雰囲気に緊張している間にいつのまにか終わっている…!といった印象です。見ている飼い主さんの方がドキドキしてしまうかもしれませんね。
首のうしろ部分に挿入するのが一般的で麻酔や鎮静などは必要ありません。数十秒から1分程度で終了し、その後シャンプーや運動をしても問題ありませんのでご安心くださいね。
装着後の手続き
▲挿入済みのチップをリーダーで確認中
実は動物病院で行うのは『マイクロチップの装着』のみで、飼い主さんの情報登録の手続きはできません。
挿入されたマイクロチップの識別番号は空っぽで、まだ飼い主さんの情報は何も入っていませんので注意してくださいね。
マイクロチップ装着後はインターネット、もしくは申請用紙にて飼い主さん自身で情報登録の手続きを行います。申請用紙は動物病院でもらえますので装着後は忘れずに申請用紙をもらって帰りましょう。
登録先は【動物ID普及推進会議(AIPO)】になります。この団体が飼い主さんの情報を一括して管理していますので、お引越しや電話番号の変更があったときは忘れずに情報変更の手続きをとりましょう。
登録内容は飼い主さんの住所や電話番号(2つ)、アドレス、ペットの名前、毛色や種別など様々です。緊急時に使用される連絡先ですので、空欄は作らず全て埋めておくと安心です。
料金
マイクロチップにかかる料金は2種類です。
まず、動物病院に支払う装着費用の2千円から5千円程度(支払う金額は病院差があります)、そして環境省によるとAIPOに支払う登録料がWeb申請で300円、書面での申請が1000円です。
メリットとデメリット
マイクロチップ最大のメリットは迷子になった時、飼い主さんの元に帰ってこられる確率がグッとあがる事です。普段どんなに注意していても災害時などにはぐれてしまう可能性はあります。事実、東日本大震災時には多くのペット達が飼い主さんと離ればなれになってしまいました。
マイクロチップは迷子札や首輪のように外れてしまう事がない点でも安心です。
デメリットとしては装着に多少の痛みを感じる、MRI撮影時に画像がゆがむ可能性があるなどがあげられます。ただしMRI撮影は大きな病気や手術をする時にしか撮影せず、撮影自体ができないわけでもありません。また撮影してもペットの体には影響しませんのでご安心くださいね。
マイクロチップを利用した製品
▲シュアーフィーダーマイクロチップ
こちらの給餌器は、マイクロチップを付けた猫ちゃんや、専用タグを付けている猫ちゃんが近づくとセンサーが感知し、自動で蓋の開け閉めをしてくれます。マイクロチップが多頭飼育でのそれぞれの猫ちゃんを識別してくれるので、エサの奪い合いも防止することができます。
今後、マイクロチップを装着しているペットが増えると共に、このような便利な商品もどんどん登場していくのではないでしょうか♪
シュアーフィーダーマイクロチップの詳細はこちら
まとめ
いかがでしたか?
装着に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、マイクロチップの挿入による健康被害はないと獣医師会も発表しています。実際に、今までに数百頭のマイクロチップ装着に立ち会ってきましたが、それによって体調を壊してしまう子は見ていません。
もちろん強制ではありませんから、シニアや持病があるペットちゃん達は無理をする必要はありませんが、シニア期のワンちゃんは痴呆が始まり徘徊しながら行方不明になってしまうことも。
迷われる方は是非獣医師にご相談なさってくださいね。愛犬の体調や性格を踏まえ検討してみましょう!