世界には、ワンちゃんたちにごちそうをふるまい、花を飾って盛大にお祝いする夢のようなお祭りがあることをご存じでしょうか?それが毎年10月~11月に開催されるネパールの祭典、「ククル・ティハール」です。
ワンちゃんたちへ感謝と敬意を伝える伝統行事であり、飼い犬はもちろん、警察犬も野良犬も区別なく国民から一斉に祝福されます。
今回は、SNSでも話題に上がることが多く、愛犬家にはたまらない「ククル・ティハール」について、詳しくご紹介していきたいと思います♪
ククル・ティハールとは?
ネパールで毎年秋ごろに開催される「ティハール」は、5日掛けて身の回りの動物や家族へ祈りをささげる盛大なお祭りです。
”光の祭典”ともよばれており、期間中は街全体がさまざまなイルミネーションやマリーゴールドの花で華やかに飾られます。幻想的な異国情緒の雰囲気を思いっきり楽しむことができるため、観光客からとくに人気の高いイベントです。
なかでも盛り上がりを見せるのがティハール2日目に当たる「ククル・ティハール(犬の日)」です。ヒンドゥー教ではワンちゃんは死者の魂を導く神の使いとされており、とても神聖な存在として扱われています。この日はすべてのワンちゃんが尊敬と感謝を込めて讃えられるのです。
かわいすぎる!祈られるワンちゃんたち
ククル・ティハールの日には街中のワンちゃんがマリーゴールドでできた首飾り(マラ)を掛けられ、額に赤い印(ティカ)をつけてもらいます。そして、お気に入りのビスケットやお肉などのごちそうを楽しみます。
飼い犬も野良犬も、保護施設で暮らす子も警察犬も分け隔てなく祝福されるのです。 首飾りを気にしない子もいれば、迷惑そうな顔でものの数秒で破壊してしまう子も…。どちらにせよ癒されるワンちゃんたちの姿はメディアやSNSでも大きな注目を浴びており、このククル・ティハールの日を狙ってネパールを訪れる愛犬家も少なくありません。
ネパールにおけるストリートドッグとの共生
ネパールでは犬を神聖なものとして扱ってきた歴史があり、ワンちゃんは街のいたるところで見かけるとても身近な存在です。
都市部ではペットとして犬を迎える飼い主さんも増えてきたものの、野良犬や半野良の子が依然として多く、たくさんのワンちゃんたちが自由にくつろぐ光景が当たり前のものとして受け入れられています。 だからこそ、ククル・ティハールの日はどこを歩いても飾り付けられた華やかなワンちゃんであふれ、観光客でも犬の日を存分に楽しむことができるのです。ネパールの野良犬は人懐っこく穏やかな子が多いものの、やはり観光客はむやみに触ったりごはんを与えたりするのは避けた方がよいでしょう。
現地の動物保護団体やNPOの活動によって、野良犬にも一斉にワクチン接種や去勢・避妊手術が行われてはいます。とはいえ、いまだ狂犬病は根絶まで至っておらず、深刻な公衆衛生の問題として課題を残しているのです。
ネパールの犬文化に触れて
ティハールのスケジュールは毎年異なるため、旅行の目的にするときには必ず日程をチェックするようにしましょう。
日本とは異なるワンちゃんとの距離感や独自の文化に触れることで、価値観も変わるはず。おうちのワンちゃんにも特別な感謝と祈りを捧げたくなるかもしれません。今年のククル・ティハールもぜひSNSなどで楽しんでみてくださいね。