保護犬との暮らし。接し方や注意したいポイントとは?

保護犬

既にワンちゃんを飼っている方も、これから迎えようと考えている方も、保護ぜひ犬のことを知っていただきたいと思います。どのような過去を持ったワンちゃん達で、一緒に暮らしていくうえで注意すべきポイントはどんなことか...。

私自身動物病院で勤務し、たくさんの保護犬達に出会ってきました。新しいおうちにきたばかりで、まだまだ緊張が見える彼ら。

そんな彼らがゆっくり時間をかけ愛情を注がれていくうちに笑顔が溢れるワンちゃんになっていく様は、胸が温かくなると同時にそれまでの壮絶な生い立ちが垣間見えるようで切なくもなります。

今回は保護犬を迎えるためにはどういった手順を踏めばいいか、整えるべき環境はどういったものか?などをご説明していきましょう!

目次
■保護犬達の生い立ち
■保護犬の性格は?
■保護犬の迎え方
■整えておきたい生活環境
■ゆっくり時間をかけて特別な関係作りを




保護犬達の生い立ち

保護犬の生い立ち

ひと言で保護犬といっても、その生い立ちはさまざまです。

例えば繁殖犬として酷使されていた、飼育放棄された、保健所に入っていて殺処分手前だった、虐待通報があった、飼育崩壊が起きたなど。

こういった子たちが保護団体の手によって救出され、【保護犬】としてシェルターやボランティアさんのお宅で過ごしながら新しい飼い主さんのお迎えを待っています。

なかには狭いケージに何頭も押し込められ、十分な世話もされず、糞尿にまみれながら飢えに耐えていたという子も。



保護犬の性格は?

保護犬の性格

保護犬達の性格はそれまでにどのような経験をしてきているかに大きく左右されます。上記のような辛い環境下にいた子であれば人間に対し恐怖心を持っていても当然ですよね。

多く見られるのは
・臆病
・警戒心が強い
・環境変化にデリケート
・初めましての場所や人が苦手
・大きな音や声、金属音が苦手
・抱っこなど触れられることが嫌い
といった性格。

最初は心を閉ざしていても、それは自然な事なのです。ぜひそのまま受け入れてあげて欲しいと思います。

もちろん人間大好き!甘えたくて仕方がない!という子もいます。まずは保護主さんに、本人の性格を聞いてみるのもいいでしょう。


保護犬の迎え方

保護犬の迎え方

保護犬の引き取り方法はいくつかあります。
・保護団体を通して行う
・保健所から引き取る
・譲渡会に行く
・SNSでの里親募集など。

注目したいポイントは、トライアル期間が設けられているかどうかです。

実際に一緒に暮らし、ワンちゃんの様子や家族との相性を見ることは保護犬を迎え入れるうえでとても大切。できれば数日間のトライアルができると安心ですね。

また里親になる方に対し、家族構成や居住環境に条件が付いていることもあるため、事前に確認しましょう。


整えておきたい生活環境

保護犬を迎える環境とは

保護犬をおうちに迎えるときは、できるだけリラックスできる環境を作ってあげてください。広々した空間で自由に過ごさせてあげたくなりますが、最初はワンちゃん専用のスペースを作り、少しずつ慣れてもらう方がスムーズです。

クレートでも、サークルでも構いません。まずは安心して過ごせるワンちゃんだけのテリトリーを作ってあげましょう。

また恐怖心や緊張から飛び出すように逃げだしてしまう子もいます。安全を確保するためにも脱走防止策は必ず行っておいてくださいね。

食器や排せつ場所、使用するリードやハーネス類は保護主さんに確認し、今までと同じものを使ってあげるとワンちゃんが混乱しなくてすみます。


ゆっくり時間をかけて特別な関係作りを

保護犬と行きていくために

保護犬は慣れるまで数ヵ月以上の時間がかかります。抱っこはおろか触る事さえできず、部屋の隅っこで丸くなり少しも動かない…そんな姿に焦りを感じる事もあるかもしれません。

ですが彼らにとってそれまでの長く苦しい時間は=人生そのものでもあったのです。

環境の変化に戸惑いや不安、緊張が生まれるのは当然のこと。どうかゆっくり時間をかけ、信頼関係を築いていただければと思います。

保護犬との接し方

私の勤務先に毎月通ってくれる元保護犬ちゃんがいます。

初めて会ったときは飼い主さんにも心を開くことができず、爪切りをしようとするものなら大パニックを起こし、お漏らしをしていました。

それでも飼い主さんは一心に愛情を注ぎ、月に1度の通院を習慣にしながらワンちゃんとの関係作りを頑張ってこられました。病院の入り口で抵抗していた子が、数年たった今では、飼い主さんにピタッとしがみつくように来院し、爪切りも頑張って我慢できるようになったのです。

初めてその姿を見たときは、飼い主さんと一緒に目頭を熱くした記憶があります。

たとえ時間はかかっても、心から安らげるよう愛情をたっぷり注いであげたいですね。

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